会社オーナーと相続(上)遺産分割協議が成立するまで


納税通信 第3420号 より 税理士毛利修平先生

オーナーに相続発生、自社株が遺産分割の対象となった場合、遺産分割が成立するまでは、株式については「準共有」となります。

例えば。

  • 被相続人 : 発行済株式1,000株のうち800株所有
  • 相続人1 : 妻(法定相続分1/2)
  • 相続人2 : 長男(法定相続分1/4 後継者候補で既に200株所有)
  • 相続人3 : 二男(法定相続分1/4)

被相続人所有株式だった800株の議決権のうち、妻1/2の400株、長男と二男はそれぞれ1/4の200株で行使できると考えてしまいがちですが、これは誤り。

1株1株について妻1/2、長男1/4、二男1/4の法定相続分で準共有となります。なので、会社法106条の規定より準共有している株式についての権利行使をする者1人を定める必要があります。

会社法106条

株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。

要するに。

相続株式が未分割で準共有の場合、権利行使する者を1人定め、会社に通知することが必要になります。で、この権利行使する者は準共有されている株式の持ち分の過半数で決定されると。

先ほどの例でいいますと。

妻が二男と結託すれば、相続株式800株の議決権全てを行使することが可能となります。妻と二男の法定相続分は合わせて3/4となり過半数を超えますから。そうすると、長男を後継者から排除することもできてしまうわけです。

こういったことも考えられるわけで、会社の事業承継についてはオーナーの生前中から検討しておく必要があります。

一般的なご家庭での生前対策はなかなか切り出しにくいものがありますが、会社経営者の場合には上記のような例もありますから、必須ですよね。

【関連記事】

相続・贈与・譲渡・遺言・事業承継・法人についてのご相談は
埼玉県東松山市の関根盛敏税理士事務所まで
関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi


タイトルとURLをコピーしました