会社オーナーと相続(下)相続人に未成年者がいる場合


納税通信 第3421号 より 税理士毛利修平先生

特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならないのは常識として。

(以前相続税申告のセカンドオピニオンを受けたとき、未成年者が相続人に含まれているにもかかわらず特別代理人の選任をしていなかったケースがありましたが)

相続人に未成年者が複数いる場合は、各未成年者ごとに特別代理人の選任が必要。

選任には2~3週間かかります。私の実感としても1ヵ月はかからなかった気がします。

  1. 遺産分割により未成年者の子にすべての財産を相続させる場合
  2. 法定相続分と同じ割合による遺産分割を行う場合

上記のケースだと利益相反に該当しないのでは?と考えてしまいがちですが、未成年者に有利に取り扱ったかどうかは関係なく、特別代理人の選任は必要。

原則として、特別代理人を選任して遺産分割協議を行う場合、未成年者の法定相続分を確保する必要あり。

では、遺産分割協議前の株主総会についてはどうか。

これは特別代理人の選任不要。

議決権行使は遺産分割協議のように即座に財産に変動を及ぼすものではないから、利益相反ではないと考えられているため(最高裁昭和52年11月8日判決)

手続上は、未成年者の代理人として親権者が自分を指定し、共有者代表として会社に通知すれば共有状態の株式の議決権全部を行使可能になると。

ただし。財産価値の変動に直結するような決議事項についてまでがこの判決の射程内に含まれるかは疑義有と。

次のケースは要注意。

  • 被相続人 : 父(株式保有70% 代表取締役)
  • 相続人1 : 妻
  • 相続人2 : 成人の長男(株式保有30% 取締役で後継者候補)
  • 相続人3 : 未成年者の二男

妻は未成年者の二男の親権者として準共有状態の株式の過半数(妻1/2+二男1/4=3/4)の持ち分を有するため、被相続人が持っていた70%の議決権を行使することが可能になってしまいます。つまり、後継者候補の長男を排除できます。

争いの火種はどこにあるかわかりませんからね。はるか昔にあった些細なことでも争続の可能性は出てきます。前回のエントリーと同様、オーナー社長は生前に後継者に株式の引継ぎを検討しましょう。

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