お友達の土地家屋調査士である高橋輝さんが新著を上梓したというので購入して読んでみました。
買ってはいけない家と土地=相続税の財産評価における減価要因
とも言えますね。土地家屋調査士及び住宅販売会社の営業という前職からの視点は参考になりました。以下メモ。
P27
営業マンは契約する物件を決めている。
まずは売れ残り物件(捨石物件)を案内。当然買わない。これはこの人の予算ではこのクラスの物件しか買えないという認識を与えるため。次に予算を大幅にオーバーした物件を案内。いい物件だけど予算がね、となる。最後に予算物件より少し高めの物件を案内。心理的な要因で3番目を購入する可能性が高い。2番目で買ってくれれば儲けもの。親からの資金援助があるかもしれないし。
P31
ほとんどの物件購入者は建物しか見てない。土地の価値も見極めることが大切。
P41
<マイホーム購入時の諸費用>
売買契約時
手付金
売買契約書印紙代
<融資関連費用>
住宅ローン保証料
融資事務手数料
火災保険料・地震保険料
団体信用生命保険料
金銭消費貸借契約書印紙代
<引渡し費用>
建物表題登記費用
所有権保存・移転登記及び抵当権設定登記費用
仲介手数料(売買代金×3%+6万円+消費税)
固定資産税の日割清算金
<購入後の費用>
不動産取得税・固定資産税
引っ越し費用
家電・家具・カーテン等の購入代金
付帯設備の工事代金(アンテナ設置工事代金等)
P44
契約書、重要事項説明書は事前に取り寄せて質問内容をピックアップしておくべき。
P46
住宅ローン審査に備え、使ってないカードは解約。携帯電話の端末の分割払いや奨学金も審査に加える金融機関があるので完済しておくべき。
P54
購入する土地がどの危険度の土地なのかハザードマップで確認する。
P78
工場、ガソリンスタンド以外にも、クリーニング店跡地も土壌汚染の可能性あり。
P79
近所の落ち葉は掃除が大変、屋根の雨どいが落ち葉で詰まる。桜並木沿いは花の掃除、毛虫、花見の季節はゴミ問題。
P80
2メートルを超える擁壁を設置する場合、建築基準法で確認申請が義務付けられている。法律が施行される前に築造されたもの、確認申請をしていないもの、検査済証のないものが存在する。不適格擁壁。
P81
都市計画道路予定地
計画決定:道路を拡幅したり新道路を通すことが決まっただけの段階。いつ着工するかなどは未定。
事業決定:実際に工事が決まった段階。新たに建物等を建築することは基本的にはできない。
P119
隣地の地下をガス管や水道管が通っている場合、建て替え時に前面道路から直接自分の土地に引き込みなおす必要がある。数十万円に費用負担となる。
P133
内覧会でのチェック事項。窓やドアは実際に何度か開閉してみる。ドアストッパーの有無。ドアの開く方向。収納の戸も開閉。内部のクロスに傷がないか。ハンガーパイプの有無。水回りは一度水を貯めて流してみる。排水の確認。キッチン洗面台の下の排水管も水漏れ確認。
P138
屋根付きカーポートは建蔽率オーバーに注意。完了検査前に設置すると完了検査が通らないことがある。建築基準法では屋根付きカーポートの形状によっては、建蔽率に算入することとなっている。ベランダに屋根を付けたり、場合によっては物置も建蔽率算入となる可能性あり。
P142
昭和56年以前の家屋の倒壊率が高い。昭和56年に耐震基準が大きく改正されたことが要因。
P158
ハウスメーカーの営業マンは、購入者の予算額は8割くらいと考えている。もちろん高い物件を売った方が自分の成績にもなるので予算より高めの物件を案内してくる。
P165
登記面積が固定資産税の基礎となる。設計次第で固定資産税は安くなる。天井の高さ1.5メートル未満の地階及び屋階等(特殊階)は床面積に算入しない。代表的なものとして小屋裏収納。車庫は二方が壁に囲まれていなければ床面積に算入しない。耐震性とバーターだが。ただし、銀行融資は床面積を参考にしていることが多いので、建築面積より登記面積が大きく減少してしまうと融資額も減少する可能性はある。
P170
床暖房、エレベーター、ソーラーパネル(屋根一体型)は固定資産税増。
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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員
@smoritoshi