納税通信 第3477号 2017年9月4日
事前確定届出給与はその名のとおり支給金額や支給日を事前に確定させて、かつ、あらかじめ国税に届け出た場合に損金となります。利益調整させないためですが。
なので、200万円支給すると届け出たにもかかわらず100万円しか支給しない場合や300万円支給した場合にはその100万円と300万円は全額損金は否認されます。
ただし。
200万円支給すると届け出たにもかかわらず、0円の支給、つまり全く支給しない場合は否認する経費がありませんので何も生じません。
つまり、業績次第で届出どおりに支給するか、全く支給しないか、決められるように保険的に事前確定届出給与に関する届出書を提出しておく、ということが横行します。思いっきり利益調整に使われているわけです。何だそれは。
注意点としては、支給が確定してから1年後までに支払われない役員賞与については、原則その1年後に支払があったとして源泉徴収を行う必要があります。
上記に付随して、事前確定届出給与を全く支払わないからといって支払わないまま放置していると源泉徴収の対象となってしまいます。支給してないのに。
この対処法としては、事前確定届出給与の支給日までに賞与を辞退すれば源泉徴収が不要になるとされています。ただ賞与を支給しないだけでなく、「辞退」することで源泉徴収も不要になるということです。当然、口頭ではなく書面で辞退のエビデンスを残しておく必要はありますね。
とはいえ、この事前確定届出給与を利用(悪用)した利益調整や、社会保険料対策は、法律上どうのこうのではなく、調査官に対する印象は非常によろしくないはずですので、ワタクシはオススメはしておりません。
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