税理士職業賠償責任保険事故事例―2016年度版― その6

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非上場株式の評価計算誤りにより過大納付となった事例

税理士は相続対策として法人株式の贈与に昭和60年から関与。平成26年代表者死亡、27年3月に過去の贈与税申告の非上場株式評価計算に誤りがあること判明。21年~25年分は修正申告、更正の請求、嘆願で対処するものの、更正等が認められなかった平成20年分以前については損害賠償請求を受ける。

税理士に対する損害賠償請求の時効は10年ですから、昭和60年から平成20年までの23年間について損害賠償請求されているわけではないと思いますが、それでも5年分は対象となってしまうわけで。連年で贈与対策をしている場合には常にこのケースの損害賠償請求の懸念はあります。怖いところです。

相続税申告書の作成に際し、小規模宅地等の特例適用を誤った事例

平成26年8月3日相続開始、相続税申告書の提出後の平成28年2月、税理士は相続人から小規模宅地等の特例適用の誤りの指摘を受け、過誤発覚。

甲地を選択特例対象宅地等として小規模宅地等の特例を適用して申告したが、実際居住していたのは乙地であり、選択誤りにより過誤が発生した事例。事実、相続相談の際に税理士は乙地に訪問しており、乙地に被相続人が居住していたとわかり得る状況だったと。

それにしても、相続税の申告前に、申告内容について説明しないのでしょうか。小規模宅地等の制度の説明、事実確認、選択特例対象宅地等の説明等をしなければ、別表第11・11の2表の付表1は記載できないはずなのですが。特に「特例の適用にあたっての同意」欄は。

続く

 

 

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@smoritoshi

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