昨日のブロック別研修会でいくつか気になったところをメモ。
- 被相続人が遺言によって配偶者居住権を配偶者に取得させるためには、遺贈によることが必要。この場合、いわゆる「相続させる旨の遺言」ではダメ。「~に遺贈する」が正解。通常の遺言書では「相続させる旨の遺言」が多いので注意。
- 配偶者の死亡に伴い、民法の規定により予定どおり配偶者居住権が消滅するものであり、配偶者から居住建物の所有権が相続により取得する財産がないことから、相続税は課税されない。相続税対策に使えるが…
- 上記に比較して、配偶者居住権の存続期間の満了前に、何らかの事由により配偶者居住権が消滅することになった場合は、その消滅により配偶者から所有者に使用収益する権利が移転したものと考えられることから、相続税法9条の規定により、配偶者から贈与があったものとみなされ、居住建物の所有者に対して贈与税が課税。
- 配偶者居住権の相続税法上の評価は、相続税法23条の2の本法で規定。財産評価基本通達ではない。
- 残存耐用年数又は残存耐用年数から存続耐用年数を控除した年数がゼロ以下となる場合は、算式の「(残存耐用年数△存続年数)÷残存耐用年数」はゼロとなる=100%配偶者居住権になる。
- 配偶者が配偶者居住権の消滅に伴い、居住建物の所有者から対価の支払いウケた場合は、総合課税の譲渡所得。総合課税ということは最高税率の可能性もあるわけだが、ほとんどのケースで5年以上取得期間があると想定されるため、短期ではなく長期となり、その場合は1/2課税となるので税負担は抑えられるのでは。
- 二次相続の相続税対策にはなるものの、資料の継続管理の煩わしさ等も検討して、配偶者居住権の設定をする必要がある。
相続・贈与・譲渡・遺言・事業承継・法人についてのご相談は
埼玉県東松山市の関根盛敏税理士事務所まで
関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員
@smoritoshi