週刊税務通信 令和元年7月29日 №3566 より
農家が農産物を販売するとき、2つの販売方法があります。
- 直売所や道の駅
- スーパー等
この2つで販売方法が異なります。
- 直売所や道の駅 → 委託販売
- スーパー等 → 買い取り
買い取り販売はその名のとおり、スーパー等が買い取ってくれる方式です。農家からスーパーが仕入れてスーパーが販売する。売上と仕入の差額がスーパーの取り分。仕入代金分が農家の取り分。
委託販売は、直売所が販売の代行をして、売れた分について、委託手数料をもらう方式。農家は売上をそのままもらって、委託手数料を直売所に支払う。委託手数料が直売所の取り分。売上と委託手数料の差額が農家の取り分。
ここまでが前提として。
委託販売の場合、経理処理が2つあります。
総額処理と純額処理です。
例えば、直売所での売上1万円、委託手数料1,000円のケースの場合。
総額処理
農家 売上1万円、委託手数料1,000円
直売所 売上1万円、仕入9,000円(委託手数料分1,000円を差し引いた金額)
純額処理
農家 売上9,000円、委託手数料なし
直売所 売上1,000円、仕入れなし
これが10月1日以降は2つの方法を選択できなくなると。
委託者=農家=総額処理を強制
受託者=直売所=純額処理を強制
というのも、農産物の販売に係る税率8%と委託手数料に係る税率10%が異なり、適正な税額を算出できなくなるため。
10月以降は。
農家 売上1万円(8%)、委託手数料1,000円(10%)
直売所 売上1,000円(10%)
に強制される。
一般的に、純額処理とした方が、免税点や簡易課税の判定上、消費税のうえでは有利になることが多いわけですが。
上記のとおり、委託者である農家においては、10月1日以降は消費税の判定で不利になることも想定されます。
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