関東信越税理士界 第820号 2023年9月15日
論陣 空き家問題に対する信託の活用と立法対応の提言
宇都宮支部 若山寿裕先生
国税庁が公表している事前照会を受けて、措置法35条3項の適用についての提言をされています。
信託契約における残余財産の帰属権利者として取得した土地等の譲渡に係る租税特別措置法第35条第3項に規定する被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用可否について
空き家問題に対して信託を活用してくことは、空き家の発生予防にも有効であり、空き家の円滑な処分にも期待できる一方で、35条3項、つまり被相続人居住用家屋を譲渡した場合の3,000万円控除が、信託契約の終了による残余財産の帰属による取得など相続税法上のみなし取得を対象としていないため、適用ができない。
措置法9の7、措置法39はみなし相続財産をふくむ規程がおかれているところ、35条3項にも、信託契約の終了によるみなし遺贈を含む旨の規定が措置される立法対応を求めたい、と。
ただし、信託は設計の自由度が高いことから、その活用に課税の公平が害される可能性もあり、本制度の趣旨を逸脱した利用を制限すべきだとも。例えば相続時には被相続人居住用家屋等を処分することが信託契約に記載されているなど信託契約に具備する要件を法定化するなど検討が必要。
そのとおりですね。
増加する一方の空き家に対して、信託を利用すべく税制面からも後押しできると良いのですが。
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