特別目的会社を利用した消費税節税スキームを封じ込め


T&Amaster №621 2015.12.07より

自動販売機を使った消費税還付スキームに続き、今度は特別目的会社を利用した消費税節税スキームへの対処です。平成28年度税制改正で「高額資産を取得した場合における仕入税額控除制度の適用関係の見直し(案)」として改正予定。

 

大規模法人がSPC(特別目的会)を設立(以下単位:億円)

第1期 本則課税

建物の建設・完成

課税売上    0(0)
課税仕入 27(2)
納付税額    (△2)

消費税2億円の還付

第2期 簡易課税

公共施設等の引渡(課税売上)

課税売上 54(4)
課税仕入 0(2.8)
納付税額 1.2

つまり、第1期において建物の建設に係る課税仕入を全額控除しているにもかかわらず、第2期において簡易課税制度を選択することで、建物売却代金のみなし仕入割合(建設業70%)相当分の2.8億円が、本来課税仕入のない第2期に控除可能となる。

この消費税節税スキームに対処するため、平成28年度税制改正により、高額特定資産を取得等した後の2期分については、免税事業者となることもできず、簡易課税制度を選択することもできなくなる。

上記でいうと、第2期の課税仕入2.8億円が控除できなくなるというもの。

実際、12月10日に公表された平成28年度税制改正大綱では下記のように改正案が記載されています。

(2)高額資産を取得した場合における消費税の中小事業者に対する特例措置の適用関係の見直し 
① 事業者(免税事業者を除く。)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期 間中に国内における高額資産の課税仕入れ又は高額資産の保税地域からの引取り(以下「高額資産の仕入れ等」という。)を行った場合には、当該高額 資産の仕入れ等の日の属する課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は、適用しない。 
(注)上記の「高額資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産とする。 
② 自ら建設等をした資産については、建設等に要した費用の額が税抜1,000 万円以上となった日の属する課税期間から当該建設等が完了した日の属する 課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記①の措置を講ずる。 
③ その他所要の措置を講ずる。
 (注)上記の改正は、平成 28 年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合について適用する。ただし、平成 27 年 12 月 31日までに締結した契約に基づき平成 28 年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合には、適用しない。

 

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嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi


コメント

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