外貨建てMMFは平成27年中の売却検討を

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前エントリーに続き週刊ダイヤモンドからのメモですが。

改正前(~平成27年12月)

  • 公社債等の譲渡益 ⇒ 非課税
  • 公社債等の償還差益 ⇒ 総合課税
  • 公社債等の利子等 ⇒ 20.315%(源泉分離)
  • 割引債の償還差益 ⇒ 18.378%(源泉分離)

 

改正後(平成28年1月~)

  • 公社債等の譲渡益 ⇒ 20.315%(申告分離)
  • 公社債等の償還差益 ⇒ 20.315%(申告分離)
  • 公社債等の利子等 ⇒ 20.315%(申告分離)
  • 割引債の償還差益 ⇒ 20.315%(申告分離)

 

改正後は譲渡益、償還差益、利子の3つが全て統一されるのですね。すっきりするといえばそうなのですが。

利子については、源泉分離が申告分離に変更になるだけで、大差は生じない。割引債の償還差益は発行時に源泉分離課税されているので、これは平成27年中にあわてて売却する必要はない。問題は、公社債等の譲渡益が非課税から申告分離20.315%課税されるようになること。

ここでタイトルのMMFが登場です。

MMFは国、地方自治体、企業等が発行する公社債を中心に運用する商品です。なので、上記改正の影響を受けることになります。

このMMFで外貨建ての場合、円安の現況と世界的な低金利政策(教科書どおりにいけば債券価額は金利の上下と逆に動きます)とにより為替差益が生じているケースが多々あると想定されます。改正前であれば、この為替差益も譲渡益に含めて非課税でした。改正後は為替差益も譲渡益に含まれて20.315%の課税です。

含み益を抱えた外貨建てMMFは年内に売却して、非課税で利益確定させるというのはひとつの対策でしょう。ただし、その売却で得た資金で別の商品を購入したらどうかという証券会社のセールストークはよくよく吟味されたし、ということですね。

税率については課税が厳しくなる印象ですが、損益通算はしやすくなります。公社債の譲渡損益、償還差益と利子等の相殺が可能となるうえに、上場株式等の譲渡損益との通算も可能となります。

 

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@smoritoshi

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