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広大地通達の見直し


週刊税務通信 平成29年8月28日 №3471 より

実例から学ぶ税務の核心

<第12回>特別編 広大地通達の見直し

大阪勉強会グループ

広大地通達の問題点として2点。

  1. 広大地に該当するかどうかの判断が困難
  2. 時価と通達による評価額の乖離が大

1について、広大地通達は開発想定図必須の実務を省略できるよう導入されたものの、その土地がそもそも広大地に該当するかどうかが税理士には簡単に判断できずに争いが生じることに。

2について、精算課税で低い評価額で子に贈与して、子がはるかに高額な実勢価額で売却しても課税庁は文句を言えない状況で、これは国税としても看過できなかったのでは。

実際、現金を都心中心で広大地評価できる500㎡以上の土地に資産組み換えする節税ビジネスが横行しているとか。

さらにはおなじみ更正の請求屋さんの存在も改正の必要性としてはあったのかもと。

国税の資産税部門からしたら更正の請求のような期限のある煩雑な業務が多発することは好ましくない状況。

さらに、そもそも広大地通達の本質的な問題点として、広大地補正は評価通達7項(土地の評価上の区分)、7-2(評価単位)の現況地目主義と相反するのでは、と。

確かに、マンション適地かどうかは、現にマンションが建っているかどうかではなく、マンションとして最有効利用されているかで判断しますから、最初の土地の評価単位を考えるときは現況地目といいつつ、広大地補正を検討する段階で現況地目を無視して最有効利用と言い出すのは整合性がないですね。

新通達、地積規模の大きな宅地の評価について。

「広大地」という概念にかわって、「地積規模の大きな宅地」という概念が新たに誕生。

広大地補正率から規模格差補正率へ。

地積規模の大きな宅地の定義は。

  • 三大都市圏は500㎡以上
  • それ以外は1,000㎡以上

つまり、広大地では500㎡以下でもミニ開発の可能性があったところ、改正後はダメ。

形式的な執行でわかりやすくなる。

地積規模が大きな宅地でも、以下に該当するものはダメ。

  1. 市街化調整区域に所在する宅地
  2. 工業専用地域に所在する宅地
  3. 容積率400%(東京23区は300%)以上の地域に所在する宅地

1について、建物が建てられない調整区域の場合、宅地評価する前提が成立しない。ただし、調整区域でも戸建分譲開発ができる土地ならOK。役所に確認するしかない。

2について、都市計画法の工業専用地域ならダメ。ココも戸建分譲開発ができないから。広大地通達では準工業地域や工業地域であっても広大地の可能性が否定できなかったものが、ここはかなり形式基準となり、楽になる。

3について、要注意なのは、指定容積率だけでOK。接道する幅員による基準容積率は検討しなくていい。都市計画法の用途地域図だけ見ればすぐわかるようになっている。余裕をもって400%としていた可能性あり。

さらに。

路線価図で「普通商業・併用住宅地区」「普通住宅地区」に所在している宅地であることが要件。ココも、広大地通達の「その地域における」が路線価図で確認できるようになったので楽に。

あとは算式に当てはめるだけなのですが。

一見、広大地補正が最大65%減、つまり0.35評価だったことからすると、規模格差補正率は評価増ですが。

規模格差補正率の前の不整形地等の補正が最大0.6だった場合の補正率は0.384となり、0.35と比較してもそんなに変わらない。

宅地以外に適用されるか否か。

宅地比準評価すべき土地は規模格差補正率適用有。

市街地農地、市街地山林、市街地原野、雑種地は適用有。

もちろん現況地目で判断。

で、対応策として。

広大地補正の方が有利な土地を所有している方については、年内贈与の検討も含めて制度変更と試算のアナウンスはしておかないと。後から横槍が入ったらマズイので。

広大地通達によるミニ開発の可能性、指定と基準容積率で広大地、規模格差の適否、30年以降評価額が上昇するなら年内に広大地通達で精算課税贈与等の検討。

今後の疑問点として。

容積率が異なる地域にまたがる場合はどうするのか。例えば300%と400%にまたがる土地の場合。通達案では触れていない。加重平均なのか、300%地域だけ適用なのか。

路線価地域も、普通商業・併用住宅地区と高度商業地区に跨る場合は。

今後の国税庁の回答を待て!

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