『贈与税の配偶者控除を検証する』 税務研究会 笹岡先生 その2

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(続き)

居住用不動産の範囲(土地等のみを取得した場合)

相基通21の6-1(居住用財産の範囲)
(2)受贈配偶者がその者の専ら居住の用に供する家屋の存する土地等のみを取得した場合で、当該家屋の所有者が当該受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の親族であるときにおける当該土地等
 なお、この場合における土地等には、受贈配偶者の配偶者又は当該受贈配偶者と同居するその者の有する借地権の設定されている土地(いわゆる底地)を含むものであるから留意する。

建売住宅の購入に際し、夫妻と同居する長男名義で登記(購入資金は長男負担)し、家屋の敷地は妻名義で登記(購入資金は夫からの贈与)する予定。この場合の夫から妻への贈与は上記のとおり、相基通21の6-1よりOK。「生計一」ではなく、「同居」がポイント。

 

底地の取得資金の贈与で当該家屋の所有者が当該受贈配偶者の配偶者である場合

  • 地主=底地
  • 夫=借地権
  • 夫=家屋

↓ 底地取得資金の贈与

  • 妻=底地
  • 夫=借地権
  • 夫=家屋

OK。

だが、別論点でひとつ。

「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」の提出を検討。提出しないと、借地権消滅してみなし贈与。ここまでは税理士としては当然の処理。

さらにもう一歩踏み込んで。相続時の話。もちろんみなし贈与課税されていないので、夫相続開始時には借地権が夫の相続財産として計上される。ここまで考慮したうえで、以下の検討もしたい。

底地取得資金贈与で2,000万円の配偶者控除MAX達していなければ、みなし贈与をあえて受けて借地権部分も2,000万円に含め妻に移転させてしまう。こうすれば夫相続時に相続財産から外せる。

(続く)

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