改正特許法 職務発明の「特許を受ける権利」法人帰属もOK

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週刊税務通信 平成28年3月28日 №3402より

「職務発明」とは,会社に勤める従業者等が会社の仕事として研究・開発した結果完成した発明のこと。現行の特許法では,職務発明に係る「特許を受ける権利」は原始的に従業者等に帰属することとされ,法人は,その権利を従業者等から譲り受けるために「相当の対価」を支払うこととされている。
この「相当の対価」は,税務上,その権利の承継に際し一時に支払を受けるものは「譲渡所得」,これらの権利を承継させた後に支払を受けるものは「雑所得」として扱われる( 所基通23 ~ 35共-1 )。

現行税制上、職務発明に係る特許を受ける権利は従業者等に帰属し、法人が譲り受けるために一時に支払う相当の対価は従業者にとっては譲渡所得。

改正特許法が4月1日から施行されている。あらかじめ帰属の意思表示をすれば、特許を受ける権利発生時から法人に帰属させることが可能に。

この場合、職務発明をした従業者等は相当の利益(対価ではない)を受ける権利を有する。これは雑所得となる。

で、この相当の利益の内容は経済産業大臣が定めるガイドラインに従って決定する。以下も含まれる。

  1. 法人負担による留学の機会の付与
  2. ストックオプションの付与
  3. 金銭的処遇の向上を伴う昇進又は昇格
  4. 法令及び就業規則所定の日数・期間を超える有給休暇の付与
  5. 職務発明に係る特許権についての専用実施権の設定又は通常実施権の許諾 等

さらに、従来通り従業者等に帰属することも可能。

私の顧問先ではあまり登場することはなさそうですが、頭の片隅にでも入れておきましょう。

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関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
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