役員退職金の最近の裁判例 飯田精密事件


週刊税務通信 平成29年2月13日 №3445 より

実例から学ぶ税務の核心

<第5回>役員退職金の最近の裁判例をどう位置付けるか③

大阪勉強会グループ

飯田精密事件 東京地裁平成25年3月22日

功績倍率3倍が否定された事件、役員報酬・役員退職給与の民間データベースの妥当性について疑問を呈された事件として有名に。

不動産賃貸業及び損害保険代理店業を営むM社の代表取締役が死亡退職、役員退職給与6,032万円と弔慰金384万円を支給。税務調査時に提出された「死亡退職金明細(弔慰金中課税額加算)」という資料には以下の記載。

退職金 60,320,000 320,000×13×14.5

普通に考えたら、

最終報酬月額×勤続年数×功績倍率14.5

と読める。14.5というのは異常。

で、いろいろあって、調査現場では、

320,000円×13年×3.0=12,480,000円 

を適正額として超過額47,840,000円を過大役員退職給与として否認。

ここで重要なのは、調査現場においては功績倍率3.0倍を認めてくれていると。

功績倍率3倍が否認された事例として有名になってしまったが、当初の現場ではOKだったというのは見逃せない。

3倍基準は現場でしかワークしない、ということを納税者及び税理士が知らなかったのでは。3倍基準は現場でのみセーフティとして働く。

実際には、否認が生じると、3倍のセーフティは消えて、業界で規模・業績の類似した法人との比較ということになってしまいます。すると、3倍は必ず使えるわけではなく、もっと低い倍率になってしまうことも、当然に生じます。

不動産賃貸業の功績倍率を実際に裁判で検討されては3倍なんか使えるわけもなく。

功労加算金は3倍基準の内枠で判断するというのが課税庁の考え方というのも注意点。

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