CFC税制改正の行方

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T&Amaster №664 2016.10.31より

外国子会社合算税制(CFC税制)は“実質”に着目して大幅改正予定。

現行CFC税制は租税負担率が20%以上である場合には適用対象外。これを利用して租税回避が横行。

ペーパーカンパニーを以下のA国に設立。

  • 法人税率20%以上(CFC税制対象外)
  • 受取配当等への課税なし
  • 知財使用料に対する優遇税制あり

このペーパーカンパニーを通してB国にある会社に投資(受取配当課税なし)、知財の使用権を提供(優遇税制)、ペーパーカンパニーから日本企業への配当も「外国子会社配当益金不算入制度」を利用できる。

つまり、外国子会社配当益金不算入制度を利用して、ほぼ無税で国内に資金を還流できるというわけ。

これが問題だとして、税負担率20%となる場合でも合算対象とする改正の可能性。

もうひとつ問題視しているのが、資本関係のないSPCを利用した租税回避。

ブローカーに租税回避地にSPCを設立してもらう。SPCを設立するのはブローカーで日本企業とSPCの間に資本関係はない。なので、日本企業とブローカーとの間で「SPCの投資事業は日本企業の指示の下でブローカーが管理する」旨契約締結。SPCの利益を日本企業が享受しつつSPCとの間には資本関係がないのでCFC税制対象外。

これも税制改正で対応する見込み。

これは増税の方向性。

以下は、減税の方向性の改正。

特定外国子会社等を通じた航空機リース事業はCFC税制の「適用除外基準」をクリアできない。

ただ、日本企業がアイルランドで事業展開しているのは税負担軽減以外にも主なリース先の欧米航空会社にアクセスしやすい、航空機リース特化の専門家がそろっているから。

現行CFC税制は「航空機リースなどの事業は国外で行う経済的合理性が希薄」という理由で合算対象としているが、実際、本ケースでは実体のある航空機リース業が行われていることから、“実質”で判断するように舵切する可能性大。

航空機リース事業 TH税制がネックに

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi

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