将来給付される退職金が財産分与の対象となるか

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国税速報 令和7年5月26日 第6851号

結論としてはなるのだが。

平成18年04月 就職
平成26年04月 婚姻
令和06年03月 別居
令和06年08月 離婚

というスケジュールで、令和6年3月に自己都合退職したと仮定し田場合の退職金額500万円を、婚姻~別居(120か月)/就職~別居(216か月)で按分した金額となる。

500万円×120か月/216か月≒278万円

ただし、将来の退職金の支給は、経営不振や倒産等の要因により支給の有無や額が変動する可能性がありますので、実務上は、退職金支給に高度の蓋然性がある場合には財産分与の対象となる。

とはいえ、原則、就業規則等に支給の規定があれば財産分与の対象。

最近の実務では、将来の不確定要素は、その蓋然性が高い場合を除いて考慮する必要はないとしている。懲戒解雇のように本人の責任によるものは、自らの行為によってその権利を喪失しているもので、考慮する必要はない。

そして、原則的には即時支払うべきもので、退職金の支給を受けた時点での支払いを命じた裁判例もあるが、これは財産分与義務者の資力の関係で即時に支払えない場合などに利用。で、財産分与義務者が中途退職した場合にはその退職時期を覚知できないことがあり得るため、その保全のため退職前にこれを条件付き権利として仮差押えを検討するとのこと。

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@smoritoshi

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