令和7年の準確定申告は注意が必要

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令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A 令和7年5月30日

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdf

7-1以降が所得税の準確定申告についてのQ&Aになっていますが。

7-1
7年度税制改正による基礎控除の見直しは今年の12月1日施行のため、今年11月30日以前に準確定申告書を提出する場合は、基礎控除の見直しが適用されません。そのため、11月30日以前に準確定申告書を提出した場合、令和7年12月1日から令和12年12月2日(月)までに更正の請求を行うことで基礎控除見直しの適用が受けられる。

7-2
令和7年の間は、令和6年分の確定申告書の様式を使用するため基礎控除欄に48万円までの金額しか入力できない。12月1日以後に令和7年分の準確定申告書を提出する場合、e-Taxソフトでは、基礎控除欄には金額を入力せず、初期表示の「0.000」のままとし、雑損控除欄に見直し後の基礎控除額を入力する。

雑損控除の入力も必要な場合は、雑損控除と改正後基礎控除額の合計額を入力。申告書等送信票(兼送付書)の「特記事項」欄に「基礎控除●●●円」(雑損控除額もある場合は、「雑損控除額●●●円、基礎控除額●●●円)と入力。

7-3
今年12月1日以後に令和7年分の準確定申告書を提出する場合に、新たに創設された特定親族特別控除の適用を受けるときは、書面とe-Taxソフトで入力等が異なる。e-Taxソフトの場合は、第一表扶養控除欄に特定親族特別控除額を入力。扶養控除のある場合は、扶養控除額と特定親族特別控除額の合計額を入力。送信票への記載は上記基礎控除と雑損控除と同様に記載。

7-4は国外転出の場合、7-5は非居住者の場合が記載されています。

で、更正の請求をするのがそもそも面倒なうえ、それなりに手間はかかりますから、税理士報酬を請求するかどうか、という問題もあります。納税者ファーストに考えれば更正の請求は必須ですが。

さらに問題なのは。

準確定申告の後にやってくる相続税の申告です。つまり、更正の請求による還付金を相続財産に計上できるかどうか、という問題も生じます。相続税の申告期限前に準確定申告が完了していれば、相続財産として未収還付金を計上することに差し支えはありませんが。相続税の申告期限後に準確定申告の更正の請求となる場合は、還付金を未収計上するかどうかという将来予測の立たない問題が生じます。還付金の金額が多額になるとは思いませんが、準確定申告に対する更正の請求からの相続税申告における未収還付金の計上までについては、納税者と打ち合わせが必要かと思います。

1年だけしか適用のないこのような税制改正は本当にやめていただきたい。先の定額減税が6月適用という反省を踏まえて年末の12月からの施行にしたのでしょうが、いずれにせよ煩雑な制度になっています。

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi

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