税理士業界は確定申告最盛期でございます。数字を確認していてそろそろ法人化しようか、なんて検討に入る方もいらっしゃいます。これは自戒でもあるのですが、法人成りに際し、個人事業廃業年度の確定申告時に、個人事業税の見込控除を忘れがちです。
個人事業税は前年の事業所得に対して課税されます。個人住民税と同じですね。ですので、例えば、平成27年に廃業した場合、平成28年中に平成27年の事業所得に対する事業税の納付書が県税事務所から郵送されてきます。
原則的な取り扱いとしては、上記納付書が送付され納税した後に、平成27年分の所得税について更正の請求をする必要があります。
でもこれ面倒くさいです。更正の請求とか一旦納めた税金を国から取り戻すのはハードルが高いんですね。
ですので、実務上は廃業年度分の確定申告時に事業税の見込額を租税公課として必要経費に計上することも認められています。
(事業を廃止した年分の所得につき課税される事業税の見込控除) 37-7 事業税を課税される事業を営む者が当該事業を廃止した場合における当該廃止した年分の所得につき課税される事業税については、37-6にかかわらず、当該事業税の課税見込額を当該年分の当該事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入することができるものとする。 この場合において、当該事業税の課税見込額は、次の算式により計算した金額とする。 A・・・事業税の課税見込額を控除する前の当該年分の当該事業に係る所得の金額 B・・・事業税の課税標準の計算上Aの金額に加算し又は減算する金額 R・・・事業税の税率 (注) 事業を廃止した年分の所得につき課税される事業税について上記の取扱いによらない場合には、当該事業税の賦課決定があった時において、法第63条《事業を廃止した場合の必要経費の特例》及び第152条《各種所得の金額に異動を生じた場合の更正の請求の特例》の規定の適用がある。
事業税の見込控除を忘れて、更正の請求をして、そこに対して税理士報酬が発生するなんてのはもったいないことですから、法人成りする際、廃業年度の確定申告時には事業税を見込控除は要チェックです。税理士任せにしないことですね。
相続・贈与・譲渡・遺言・事業承継・法人についてのご相談は
埼玉県東松山市の関根盛敏税理士事務所まで
関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員
@smoritoshi