税理士職業賠償責任保険事故事例―2019年度版― その3

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特定口座における源泉徴収選択の助言誤りにより過大納付住民税額が発生した事例

出国する依頼者から特定口座内で株式を譲渡した場合の所得税及び住民税の取扱いについて相談を受けた税理士が、損益通算を行うことで特定口座内で源泉徴収及び特別徴収された所得税と住民税の還付を受けられると回答。しかし、この回答が誤りで、還付を受けることができずに損害賠償請求。

非居住者となる年において特定口座内で特別徴収なしを選択すると、国内に住所がないことからその翌年1月1日時点で住民税の納税義務が発生せず、特定口座内の所得については住民税が課税されない。

一方、非居住者となる年において特定口座内で特別徴収ありを選択すると、所得税で損益通算の還付申告を行ったとしても住民税の還付申告はできず、特別徴収された住民税は還付されない。

つまり、税理士は、出国する年分は特定口座について源泉徴収なしを選択することを助言しなければならなかったと…

これは気づかない。私が相談されても同様の回答をしたかもしれません。特定口座の取扱いは難しいところがありますね。気を付けたい。

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関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
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@smoritoshi

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