海外財産 遺言書で財産を渡す相手を決められない財産がある


週刊税務通信 令和元年7月22日 №3565 より

海外資産の税務ケース・スタディ

日本で作成する遺言に海外資産を入れても大丈夫?

回答としては、海外資産については可能であれば財産の所在国での有効な遺言書を作成しておくべき、と。

海外資産について記載した日本の遺言書を作ることは可能。だけど、その遺言に基づいた遺言執行が可能かどうかはその財産の所在する国の法律によることになる。

つまり、日本の遺言書だけでは、相続人間では合意ができても、実務として預貯金や不動産の名義変更が可能かどうかは不明で、現地の法律に従う必要がでてくる。

英米法の国々では、相続財産は相続と同時に、いったん遺産財団に帰属。

遺言がある場合は、その遺言で指定されている遺言執行人が、

遺言がない場合は、プロベート裁判所が選任した遺産管理人が、

裁判所の監督のもと、相続財産を把握、債務や管理費用、税金を控除した残りを各相続人に分配。

この手続き全体をプロベートと呼ぶところ、遺言書の有無にかかわらずプロベート手続きは必要。

ただし、香港やシンガポールでは、プロベート手続きについて、遺言書がある場合はない場合に比べて手続き時間短縮が可能。

日本の遺言書だけだとそれを英訳し、日本の民法に従った遺言である旨を日本の弁護士に証明してもらう必要があるが、日本の遺言と同じ内容の遺言をシンガポールの法律に基づく方式に従って英語で作成しておけばそのままシンガポールの裁判所に提出可能。

結果的に、時間も費用も短縮節約できるので要検討。

遺留分は現地の遺留分の考え方を確認しておく必要あり。

プロベート制度のある国々で面倒なプロベート手続き回避のため、ジョイント・アカウントを開設することが多い。ジョイント・アカウントの名義人の一人が死亡した場合、他の名義人のうち生存者受取権を有する者に帰属させることが可能。

この場合、遺言書にジョイント・アカウントを記載しても、生存者受取権を有する者以外の者に相続させることはできない。プロベート回避目的で利用されるジョイント・テナンシーやリビング・トラストについても同様。

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