税理士界第1328号論壇 税理士制度と成年後見制度における利益相反関係の考察


関東信越会の武田先生による考察ですが、税理士と成年後見制度における利益相反関係について非常に参考になります。税理士の社会貢献活動として寄与することを期待されつつも、理解してないと善意にもかかわらず飛び火しかねない。

「成年後見制度の節税分類」と「本人の最善の利益」

  • 近年、家庭裁判所では税理士がその顧問先の成年後見人を受任することについて、利益相反の恐れありとして、成年被後見人と顧問契約のない税理士の推薦を希望している。
  • 後見人の職務は身上監護と財産管理。
  • 税理士が後見人である場合、「本人=納税者=税理士」の関係となり、そこに問題が発生。
  • 問題となるのは「運用・節税」
  • 成年後見制度における節税分類
    • 事前準備行為
      • 財産移動あり
      • 財産移動なし
    • 事後的行為
  • 事前準備行為(財産移動あり)…専従者給与の引き上げ、車両の購入・リース契約等
  • 事前準備行為(財産移動なし)…青色申告承認申請書の提出、消費税簡易課税制度選択届出書の提出等
  • 事後的行為…個別対応方式と一括比例配分方式の有利選択、不動産を譲渡した場合の有利な特例選択等
  • 成年後見制度で求める節税とは、事前準備行為(財産移動なし)と事後的行為を指す。
  • 事前準備行為(財産移動なし)と事後的行為は積極的に行わないと「本人の最善の利益の追求」という後見人本来の職責を果たさないことになるので要注意。

報酬付与制度における限界と対応策

  • 依頼者の税負担を最小(節税)にしなければならないという命題と、成年後見制度の「本人の最善の利益の追求」という命題が互いに制度矛盾を起こしている。
  • 親族後見人が専従者給与を取っており、税理士が後見監督人として関与しているケース
  • 後見人は裁判所の許可なく報酬をとってはいけない。
  • 専従者給与の増額改定は専従者給与の名目で本人から裁判所の許可なく報酬を取っていることになり、これは横領に該当する可能性がある。
  • 後見監督人として関わっている税理士は是正勧告を後見人に対して行う必要があり、怠ると責任を追及される可能性もあり。
  • 税理士が後見人となっており、本人の確定申告をした場合も税理士としての報酬を請求することはできない。報酬付与申し立ての審判を経る必要がある。
  • 任意後見契約は事前の任意後見契約の中で本人の意思表示として報酬、動産不動産の維持処分管理について決めることができるので、前述の専従者給与の増額改定についても事前の取り決めで定めておくことは可能。
  • 認知症高齢者は今年は500万人を超えてくるものと考えられる。

 

なるほどである。

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