調査官の本音と法解釈の真実


昨晩はお勉強会。

松嶋洋先生をお招きして。毎週納税通信ではお世話になっております。ありがとうございます。

備忘録としていくつかメモ。

更正を打たない理由

当然敗訴リスクに備えなければならないし、立証の手間がかかる。更正前に国税局の訟務官室に報告しなければならず許可が必要。理由附記のノウハウも乏しい。特に相続税所得税においては。川崎汽船事件にもあるように実際は文例集で対応しているレベル。

条文の立てつけ上、原則は更正。修正申告が例外。修正はできる規定で権利。

延滞税について、修正に比較して上記理由より調査終了まで3ヶ月ほど時間がかかることから3ヶ月ほど納期を遅らせることができる。

予納制度も有効活用したい。とはいえ、予納制度の様式が国税庁HPにはない。税務署窓口でもらうしかない。

税務署所管レベルは修正申告させたいのが原則、国税局所管レベルは更正処分が原則。公示制度の影響?

プレプリント上部の所管が00は局、91.81などは特官対応。確かに以前特官調査だった法人を今確認したら91ですね。


任意調査と国税の権限

明示黙示を問わない。明確に拒絶の意思表示をしないと質問検査権は発動されてしまう。調査官はことあるごとに確認してきますからね。イチイチそれに対して意思表示をする必要はある。

事前通知において「調査対象となる帳簿書類その他の物件」は限定してしまう。さらに税理士事務所で調査対応も視野に。

私の事務所を調査に提供したことはありませんが、「調査対象となる帳簿書類その他の物件」については、実際指示されたものしか用意したことはありませんね。言われなかったから用意してないし、今社長がいないから確認してから連絡しますね後日、というのはしばしばある対応。


法解釈の真実

資本的支出と修繕費について、法人税法基本通達7-8-2は旧通達も参考に。「災害」というキーワードが抜け落ちたことに注目。原状回復と通常の維持管理とは別の整理が必要。とはいえ、7-8-6に別建てで「災害の場合の資本的支出と修繕費の区分の特例」が設けられているんですけど。このあたりはどうなんでしょうかね。

旧法人税基本通達235
次に掲げるようなことのために支出した金額は、令第132条の規定を適用して資本的支出と修繕費の区分計算をしないで、その全額を修繕費と認めるものとする。
ただし、自己の使用に供する等のため他から購入した固定資産について支出した金額又は現に使用していなかった資産について新たに使用するために支出した金額は、修繕費としない。
(1)家屋又は壁の塗替
(2)家屋の床のき損部分の取替
(3)家屋の畳の表替
(4)き損した瓦の取替
(5)き損したガラスの取替又は障子、襖の張替
(6)ベルトの取替
(7)自動車のタイヤの取替

退職事実の判断

「勤務の性質、内容、労働条件が激変」というのは当然として。

株式数をもって支配関係を考慮することについて、TKC税務Q&Aでは厳しい見解だが、判例ではそうなっていないので個別的に判断する必要がある。


交際費の判断基準

山本守之大先生でおなじみ萬有製薬事件ですが、税務当局はあまり評価していないようで。個別案件として相変わらず二要件説で課税。

コンメンタール法人税法P3207を参考に。

  • リベート⇒相手方は課税 
  • 謝礼⇒相手方において課税されている可能性を確認できない⇒支出側で課税

なるほど。リベートを交際費とすると二重課税になる。謝礼はもらった側で課税できない分を交際費として支出側で代替課税するわけですね。

大法人では寄附金の算入限度額が大きいことから寄附金とせずに交際費課税する傾向があるとのこと。全然知りませんでした。大阪地裁H9.9.4?


中身の濃い1時間半でした。ありがとうございました。日々の実務に役立てます。

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