納税通信 第3710号 2022年2月14日
第475回 市街地価格指数の境界線 松嶋洋先生
市街地価格指数での申告は何回かありますが、その数値に合理性を持たせないと否認されるリスクは常にあり、申告にあたっても納税者との意思疎通含め神経を使うところではあります。
で、松嶋先生によりますと、最近の裁決事例で、昭和27年12月31日以前に取得した土地について、市街地価格指数が使えないという話を紹介しています。
なるほど、確かに、昭和27年12月31日以前に取得した試算について実際の購入金額が不明の場合は、昭和28年1月1日の相続税評価額を譲渡所得の計算上、控除すべき取得費とするという規定がありますね。
(昭和二十七年十二月三十一日以前に取得した資産の取得費等)第六十一条 山林所得の基因となる山林が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた山林である場合には、その山林に係る山林所得の金額の計算上控除する必要経費は、その山林の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額とその山林につき同日以後に支出した管理費、伐採費その他その山林の育成又は譲渡に要した費用の額との合計額とする。2 譲渡所得の基因となる資産(次項及び第四項に規定する資産を除く。)が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた資産である場合には、その資産に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その資産の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその資産の取得に要した金額と同日前に支出した設備費及び改良費の額との合計額に満たないことが証明された場合には、当該合計額)とその資産につき同日以後に支出した設備費及び改良費の額との合計額とする。3 譲渡所得の基因となる資産が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた資産で、第三十八条第二項(使用又は期間の経過により減価する資産の取得費)の規定に該当するものである場合には、その資産に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その資産の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその資産の取得に要した金額と同日前に支出した設備費及び改良費の額との合計額を基礎として政令で定めるところにより計算した同日におけるその資産の価額に満たないことが証明された場合には、当該価額)とその資産につき同日以後に支出した設備費及び改良費の額との合計額から、その資産を同日において当該計算した金額をもつて取得したものとみなした場合に計算される同項各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。
今朝ちょうど、市街地価格指数についてのご相談を受けたところなのでタイムリーでした。
しかし、その裁決事例が見つかりませんね。リンクしようと思ったのですが。あとでちゃんと探しておきます。
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