国税の申告手続の電子化

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T&Amaster №720 2017.12.25

Q&Aで読み解く国税の申告手続の電子化 より

平成30年度税制改正大綱で資本金1億円超の大企業は国税の電子申告が義務化されることが公表されています。改正点を列挙すると。

資本金等が1億円超なら公益法人等も電子申告義務化

独立行政法人や国立大学法人等が該当。

資本金等が規定されていない宗教法人、学校法人、社会福祉法人は対象外。

もちろん法人税だけでなく消費税も対象で、電子申告の義務化を推進するため国、地方公共団体も対象。ふむ。

相互会社は基金の額に関係なく電子申告義務化

対象となる「大法人」とは、資本金1億円超の法人、相互会社、投資法人、特定目的会社を指すことから、相互会社は無条件で電子申告義務化の対象。

インターネットが利用できない場合はセーフティネットあり

サイバー攻撃、災害、経営破綻等でインターネットが利用できない状況の場合は税務署長に申請をして承認があれば書面でもOK。

電子申告の提出状況次第ではさらなる見直しを示唆

上記の災害等以外で電子申告せずに書面で提出した場合、無申告となり、無申告加算税の対象。

ただし、申告書の主要部分が電子申告されていればOKとする方向のようで、これは大企業の経理担当者は一安心なのでは。

とはいえ、アメリカ、イギリスは一部でも電子申告されていないと無申告扱いで無申告加算税、フランス、カナダは申告書のすべてを電子申告しなかった場合は無申告扱いで、無申告加算税とは別に書面での提出に一定の手数料を徴収と、厳しい運用。

このあたりを踏まえると将来的には日本でも同様の取扱いとなる可能性はある。

書面の省略等、電子申告のための環境を整備

当然ですが、法人税申告の簡素化、柔軟化が図られるそうで、例えば別表は現状XBRL・XMLに限定されているところ、CSVでもOKとしたり、勘定科目内訳明細書の記載事項が網羅的なものが、記載省略基準の柔軟化が検討されているなど。

土地収用証明書等の添付省略が可能

確定申告書に添付が要件だった第三者作成書類(収用証明書等)が手元保存を要件に添付省略可能に。PDFで送信した添付書類も基本的には書面での保存は不要に。

Excelの標準フォームは国税庁が提示

ま、標準フォームがないと余計混乱しますしね。

税務署にBS、PLを提出すればOKに

外形標準課税対象法人は都税事務所にもPL、BSを添付していたところ、国税に提出すればOKに。当然です。今までがおかしい。

連結納税関係の届出、連結子法人は提出不要に

なるほど。私の顧問先に連結法人はありませんけれど。

電子署名、代表者から委任を受けた者でOK

経理責任者の電子署名が不要に。

結果、代表者が電子署名することになりますが、代表者から委任を受けた役員や職員の電子署名もOKに。

地方税の電子化はeⅬTAXで

勘弁してください。eLTAXは廃止してくださいよ…

 

ということで、基本的には資本金1億円超の会社が対象となるので町の税理士にとってはそこまで影響はないのかもしれませんが、私の顧問先でも1件はありますからそれなりに対応が必要となることは間違いなく。

それに、大法人だけが今回の対象ですが、いずれは中小企業も…

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi

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