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所得税の買換特例をめぐる最近の訴訟トラブル 「取得価額引継整理票」


T&Amaster №609 2015.09.07より

  1. 特例に関する税理士の回答に誤りがあったか否かが問題に
  2. 約40年前に特例適用の事実があったか否かが問題に

この2つの事例の解説がされているわけですが。

 

気になったのは約40年前に買換特例の適用があったか否かが問題となった税務訴訟について。昭和48年に特例の買換特例の適用を受けており、その際の申告書は現存していなかったものの税務署内部で作成される「取得価額引継整理票」の原本が存在。

納税者はその「取得価額引継整理票」の原本の存在をもって税務署が被相続人の確定申告に対して特例を適用したとはいえない旨を主張したが東京地裁で蹴られたと。

実際問題、帳簿を備え付けて申告している法人とは異なり、個人の場合は帳簿の保存は厳しいでしょう。事業用とはいえ、40年も前の特例適用については記録も記憶もないことはほとんど。さらに本件については自分ではなく被相続人の土地についての特例適用の有無なのでさらに記憶も記録も期待できない。

ということで「取得価額引継整理票」は税務署内部では保管されているので、譲渡の場合は所轄税務署に特例の適用有無を確認することが必要なんでしょうね。買換特例の適用があったのではないかと勘付けるケースならいいですが、単なる譲渡ということで申告を依頼された場合でここまで確認をできるか。いちいち面倒くさいですが重要なことだと思います。

この取得価額引継整理票の原本は買換特例適用者の住所地等の所轄税務署において保管管理されているということ。

本件に関しては、阿藤先生による『相続に強い税理士になるための副読本』P47からの「事業用資産の買換え情報と税務署の管理」も参考になります。

特例適用の記憶と記録がないものの、通常であれば過去の譲渡申告において特例適用していると想定はできる。でも確証がない。税務署に照会すれば特例適用の有無は確認できるが、税務署にもその旨が知られてしまう。顧客の意向を受けてダメもとで特例の適用なしの申告をした結果、やはり「整理票」があり修正申告を提出することに。

年金について杜撰な管理をしている某官庁とは異なり、国税の厳しい管理システムに頭が下がる思いです。

 

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi