週刊税務通信 令和3年2月1日 №3640 より
新型コロナとは無関係に、例年、海外取引等に係る源泉所得税にはミスが多い。海外支店に勤務する役員に対する役員報酬の源泉徴収漏れがそのひとつ。
日本法人の海外支店に勤務する従業員(非居住者)に対する給与等は源泉徴収が不要。
一方、日本法人の海外支店に勤務する役員(非居住者)に対する役員報酬は、国内源泉所得に該当するため20.42%の源泉徴収が必要。
海外支店に出向した従業員に対する出向後最初に支払う賞与についての源泉徴収漏れも多いとか。海外支店出向後、最初に支払う賞与には「国内勤務分」が含まれていることが多く、国内勤務分については国内源泉所得として源泉徴収が必要。これは間違えるわ…一回調査で指摘されればその後は対応可能でしょうが、普通は気づかないと思います。
さらに現下のコロナ禍においては、海外出向から日本に一時帰国している従業員に支払う留守宅手当等の源泉徴収漏れが見込まれる、と。実態としては、源泉徴収を失念しているケースが相当数にのぼるとの声があるらしく。
5 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係
問11-4海外に出向していた従業員を一時帰国させた場合の取扱い〔令和2年10月23日追加〕当社(内国法人)は、海外現地法人に従業員を出向(1年以上)させていましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、従業員を日本に一時帰国させており、現在、この従業員は、日本で海外現地法人の業務に従事しています。
この従業員には、出向先である海外現地法人からの給与のほか、現地との給与水準の調整等を踏まえ、当社から留守宅手当を支払っています。
このような一時帰国者については、租税条約の適用により所得税が課されない場合があると聞きましたが、当社がこの従業員に支払う留守宅手当について源泉徴収は必要でしょうか。また、この従業員は、日本で申告をする必要があるでしょうか。
なお、給与の支給形態は、帰国後も変更はなく、海外現地法人は、日本国内に支店等を有していません。
【内国法人が支払う一時帰国している期間の留守宅手当について】
〇 非居住者である従業員が日本に一時帰国した場合であっても、この従業員は日本国内に住所等を有していないと認められるため、引き続き非居住者に該当します。また、この非居住者である従業員に対して貴社から支払われる一時帰国している期間の留守宅手当については、日本国内において行う勤務に基因する給与と認められるため、国内源泉所得として所得税の課税対象となります。
〇 その上で、貴社から支払われる一時帰国している期間の留守宅手当については、上記【短期滞在者免税の要件】のの要件を満たしませんので、短期滞在者免税の適用はなく、非居住者に対する給与としてその支払の際に20.42%の税率により源泉徴収が必要となります(所得税法213条1項1号等)。
なお、この一時帰国している期間の留守宅手当は、源泉徴収のみで課税関係が終了する仕組みとなっています(所得税法164条2項2号)。
と、いうことらしい。確かにコロナ禍にあり一時帰国している海外勤務の友人が何人かいますが、これに該当するのでしょう。
給与支払日の翌月10日に源泉所得税を納付しないと不納付加算税の対象になるので、なかなか厳しい納税スケジュール。
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嵐山町固定資産評価審査委員会 委員
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