週刊税務通信 令和3年10月4日 №3673より
原則的に、免税事業者がインボイス制度の登録を受けるためには、消費税課税事業者選択届出書を提出して、課税事業者になることが必要ですが。
ところが。
インボイス制度の開始にあたっては、免税事業者が令和5年10月1日の属する課税期間中に登録を受ける場合には、登録日から課税事業者となる経過措置が設けられています。
つまり。
令和5年10月1日より前に登録の通知を受けても登録の効力は登録日である令和5年10月1日から生じるということになります。
ということは。
この経過措置の適用を受ける場合は、消費税課税事業者選択届出書を提出は不要になります。
不要というよりも、絶対に提出してはいけない、ということになります。
提出すると、令和5年1月~9月までも消費税の課税事業者となってしまい、税理士がミスると税賠対象となるおそれが出てくる、と。
さらに。
諸事情により、インボイス発行事業者から免税事業者に戻る場合も、想定されるが、この場合の提出書類にも要注意。
経過措置を適用してインボイス発行事業者になった場合
適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書のみ
原則どおり、消費税課税事業者選択届出書を提出してインボイス発行事業者になった場合
適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書+消費税課税事業者選択不適用届出書
インボイス登録からずっと顧問をしている関与先であれば当初の提出状況も把握しているので問題はないと思いますが、税理士変更があった場合、関与先の方で経過措置なのか原則なのか把握していることは困難と想定されるので、ここの確認は必須となります。
さらにさらに。
登録取消届出書の効力の発生日についても要注意。
登録取消届出書を提出した場合、原則として、その提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日に登録の効力が失われる。
これはまぁ消費税の届出書ではよくある話なのでいいとして。
要注意なのが。
登録取消届出書をその提出のあった日の属する課税期間の末日から起算して30日前の日から、その課税期間の末日までの間に提出した場合は、その提出があった日の属する課税期間の翌々課税期間の初日に登録の効力が失われる、と。
何ですかこの罰ゲームみたいな制度設計は。
税理士にとってはかなり厳しい制度になりそうです。
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嵐山町固定資産評価審査委員会 委員
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