妻名義の預金口座への移し替え、夫婦間の財産の帰属の判断は からの親名義の預金口座の管理方法について

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T&Amaster №924 2022.03.28

こちらの裁決の解説記事ですが。

その他の利益に係る課税価格 | 公表裁決事例等の紹介 | 国税不服審判所

本事例は、請求人の夫名義の預金口座から請求人名義の証券口座に金員が入金されたことは、本件の各事情を考慮すれば、当該請求人名義の証券口座において夫の財産がそのまま管理されていたものと評価するのが相当であるとして、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当しないと判断したものである。

審判所は。

  • 日本では自己の財産を家族名義の預金で保有することも珍しくない
  • 夫婦間の財産の帰属は財産又はその購入原資の出捐者
  • 財産の管理及び運用の状況
  • 財産の費消状況等
  • 財産の名義を有することとなった経緯等

を総合考慮して判断するのが相当と見解。

実に生活の根差した判断で、当然ですが。

ここで。

相続後に多額の遺産を承継した相続人がその遺産を管理しきれるか不安になることがあります。夫が亡くなって妻が相続して、一人暮らしで振り込め詐欺等の懸念ですね。この場合、当事務所のアドバイスとしては、お子様名義に数千万円単位数億円単位で預貯金を移動してしまいます。管理のためですね。これを実行すると金融機関の窓口では当然のように贈与になりますが贈与税は大丈夫ですか?等々確認されることがあります。このあたりも前もってお子様方にお伝えして、管理に至った経緯を書面にて交付しておき、上記のように窓口で言われたらこの書面を見せてあげてください、と対応しています。これで何の問題もありません。上記審判所の判断のように贈与となることはありません。だって管理しているだけなんですから。

高齢となったご両親名義の預金をお子様名義に移してカードも暗証番号もお子様が管理して、亡くなった時には相続財産としてもれなく相続申告すればOKです。

ただし、お子様がこれを自分のために使ってしまってはダメですが。

まだ意識のはっきりしている状態であれば、これは結構有効な生前対策です。巷間話題となっている家族信託や成年後見も必要ありません。金融機関やコンサル等に無駄な費用を支払う必要もありません。

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埼玉県東松山市の関根盛敏税理士事務所まで
関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi

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