住宅取得資金の非課税 説明不足で適用不可でも税賠保険金が支払われなかったケース

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週刊税務通信 令和3年7月19日 №3663より

税理士損害賠償事故例と予防対策ケース・スタディ

受託取得資金贈与税非課税要件である床面積について、工事請負契約書には273.55㎡と記載されていたにもかかわらず、240㎡以下でなければ適用不可となることの説明を怠ったことで、贈与税が発生するのであれば贈与はしなかったと、発生した贈与税について損害賠償請求を受けた事例。

非課税規定の適用要件のひとつに、「床面積50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されていること」がある。
依頼者の建物の床面積は、居宅142.30㎡(52%)、店舗131.25㎡(48%)の合計273.55㎡。
依頼者が税理士に相談した時点で全体の床面積を240㎡以下にしたうえで、居住部分を1/2以上とする建築変更は困難。

適用要件について適正な説明を怠ったことは税理士の責任であるが、依頼者に損害は発生していない。依頼者は本来納付すべき贈与税をしはらっただけ。本件は保険金の支払い対象には該当しない。

そもそも240㎡超の建物について適用の余地がない場合、税理士が適正な説明をしていたとしても非課税規定は適用されないため、発生する贈与税は本来依頼者が負担すべき贈与税となり、税賠保険の対象外=過大納税額には該当しない、となる。

 

なるほど…
とはいえ怖いものです。

継続性のない単発の取扱いとなる資産税については、必ず相談時(申告時ではない)に国税庁で公表しているチェックシートで確認をしておく必要があります。

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi

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