法人の無償譲受に伴う出資増加益に贈与課税 相基通9-2

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T&Amaster №763 2018.11.12

同族会社が不動産の無償譲渡を受けたことにより増加した出資の価額に相当する部分について贈与税の申告をした審査請求人が、その後、当該増加益は贈与による財産の取得にあたらないから贈与税の納税義務はないとして更正の請求をしたのに対し、原処分庁が更正の請求がない旨の通知処分を行ったことから、請求人が当該処分の取り消しを求めた事案。

相続税法基本通達9-2では以下のように定めているところです。

同族会社(法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第10号に規定する同族会社をいう。以下同じ。)の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。(昭57直資7-177改正、平15課資2-1改正)

(1) 会社に対し無償で財産の提供があった場合 当該財産を提供した者

(2) 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 当該現物出資をした者

(3) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 当該債務の免除、引受け又は弁済をした者

(4) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 当該財産の譲渡をした者

本件においては、(4)に該当するということで、請求人が贈与税の申告をした後に、「やっぱあれ間違ってたわ」と更正の請求をしたところ、税務署からは「いや、間違えてないやん、通達のとおりやん」と蹴られた、と。

一般的にといいますか、実務上、この相基通9-2が発動されるかどうかは微妙なところがあります。

とはいえ、納税者自ら進んで申告したとなれば話は別です。だって間違っていないのだから。間違っていない申告を自分でしておいて、更正の請求は無理筋というものです。

これ、例のDES課税について申告してしまって税賠となった事件を思い出しますね。

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