週刊税のしるべ 平成28年11月14日 第3242号より
法定耐用年数が全て経過した中古の賃貸住宅について、簡便法による耐用年数を適用すると、以下のようになる。
- 木造22年 ⇒ 4年
- レンガ造38年 ⇒ 7年
- 鉄筋鉄骨コンクリート47年 ⇒ 9年
要するに、中古住宅は短期間で減価償却可能。
これは国外に所在する建物についても同様。
さらに、アメリカやイギリスでは中古住宅と新築住宅とで価格差が小さい。日本のように建築後20年で市場価値が大きく低下するようなことがない。
これらを利用して、海外の中古住宅を購入、賃料収入を上回る多額の減価償却費を計上して不動産所得をマイナスにし、給与所得等と損益通算することで税額を減少させる。減価償却終了後は、物件を売却、市場価値が下がらないので高額で売却できる。取得費から終了した減価償却費は控除されるため譲渡所得は増加するものの、5年超保有の分離長期であれば税率20%で総合課税より軽減される可能性大。
このような節税策を会計検査院が指摘したのですね。
会計検査院が指摘は税制改正の露払いでありますから、このスキームについては今後改正の可能性がありますね。
過去数年の主な会計検査院の国税に関する指摘
指摘内容 | 指摘時期 | 改正年度 |
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賃貸マンションの自販機設置による消費税節税 | 21年10月 | 22年度税制改正 |
仮決算をした法人への還付加算金の過大な支払 | 22年10月 | 23年度税制改正 |
消費税の事業者免税点制度の適正化 | 23年10月 | 23年度税制改正 |
消費税の簡易課税制度のみなし仕入率 | 24年10月 | 26年度税制改正 |
国外居住親族への扶養控除の適用 | 26年11月 | 27年度税制改正 |
高額の不動産等の売買を行う特別目的会社による消費税節税 | 25年11月 | 28年度税制改正 |
国外にある中古不動産に係る減価償却 | 28年11月 | ? |
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