令和4年度税制改正大綱が発表されました。毎年のことですが、概要を何回かに分けて見ていきたいと思います。まずは、令和4年度税制改正の基本的考え方から、いつくつかピックアップして。
個人所得課税のあり方
諸控除の見直し
多様で柔軟な働き方が一層拡大する中、働く意欲を阻害せず、公平で、働き方に中立的な税制を構築していくことが重要である。
配偶者控除やひとり親控除のことなんでしょうが、要件が複雑化するだけで簡素な税制とは真逆の方向に進んでいますので、年末調整で完結させるのあれば、もっと要件をわかりやすくしてほしいですね。今の配偶者控除の要件は異常です。
記帳水準の向上等
近年、普及しつつある会計ソフトを活用することにより、小規模事業者であっても大きな手間や費用をかけずに正規の簿記を行うことが可能な環境が整ってきていることも踏まえ、複式簿記による記帳をさらに普及・一般化させる方向で、納税者側での対応可能性も十分踏まえつつ、所得税の青色申告制度の見直しを含めた個人事業者の記帳水準向上等に向けた検討を行う。
令和3年度の税制改正大綱では、クラウド会計ソフトの普及云々って記載があったんですけど、クラウドは省略されていますね。クラウド会計ソフトが簡単に自動で記帳ができる、なんてうたうもんだから、国税庁側も勘違いした結果、今般の電子帳簿保存法の改正のゴタゴタに代表されるような事態が生じたわけで、このあたりはしっかりと、再検討を促したいです。「大きな手間や費用をかけずに」なんてどこの世界の話ですか?実務はもっとシビアです。
相続税・贈与税のあり方
結果、令和4年度税制改正においても、
資産移転時期の選択に中立な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。
と過去数年と同じ言葉が記載されて終わりでした。大山鳴動して鼠一匹ってやつですね。抜本的な改正になるので、時期尚早ということでしょう。インボイスへの準備の方が今は重点項目か。
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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員
@smoritoshi