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市街地価格指数による取得費推計の妥当性について(税理士界)


論壇 市街地価格指数による取得費推計の妥当性について 
東京会 富田隆史先生 

譲渡所得の計算における取得費が不明な場合は、譲渡収入の5%を解散取得費とすることができるけれど、バブル時に取得した物件で実際には多額の譲渡損が発生しているにもかかわらず、取得時の契約書を紛失した等の理由で5%の概算取得費を適用して譲渡益課税されるのはいかにも不合理である。

この問題解消の手段として、市街地価格指数により推計した価格を取得費とする方法が脚光を浴びている。

まぁ、この3年くらいですかね。研修で國武先生が主に発信していらっしゃいますが、方法としては割と昔から知られているところでは実務であった手法です。私も独立する前の勤務時代から利用して申告していたくらいですから。

で、これがいつから利用され始めたかというと、具体的には、国税不服審判所が平成12年の裁決で支持された課税庁側が採用した方法なんですね(国税不服審判所平12.11.16裁決)

ここから注目され始めたと。

で、富田先生による実際の取得費と市街地価格指数との価格比較では、かなりの開差が生じていることがわかったと。

原因は2つあって、ひとつは地域間の価格の変動状況が異なるにもかかわらず市街地価格指数のみを指標として用いること。もうひとつは単価による個別性の影響力の違い。

市街地価格指数をそのまま採用した場合には妥当性を欠くケースもあり、一定の補修性の必要があるのでは。

取得時と譲渡時の画地条件(道路付、規模、形状)や土地の地目の違いを調整率表や造成費で補正することも必要なのでは?と富田先生。

ということで、市街地価格指数は取得費推計のひとつの方法ではあるが、無条件に妥当性のある計算方法だとは言えない。地域性、個別性について注意を払って採用する必要がある、と。

自分が申告する場合は、不動産の登記簿謄本に抵当権設定時の借入金額の記載があればそれを参考にしたりしていますが。借入金額と市街地価格指数が近似値かどうかを検討ですね。

一番困るのは親族間で譲渡している場合で、契約書もないし、抵当権設定もないし、だと検討のしようもない。

それと、当初申告で5%の概算取得費を採用した場合、原則的には市街地価格指数による更正の請求はできません。更正の請求は「国税に関する法律の規定に従っていなかった」ときや「計算に誤りがあった」場合にできるもので、概算取得費は規定どおりだし、計算に誤りもないから。条文上は更正の請求の要件を満たさない。

ところが、概算取得費の規定が実際の取得費が不明であることが要件となっていることから、申告後に契約書が発見されたわけではないが、ヒアリング等によりある程度の売買金額がわかったり、メモ等が見つかったりして、その金額が推計によって求めた金額により裏付けされた場合には更正の請求の対象となりえることもある。

確かに、更正の請求ではないですが、当時は更正の請求期限が1年だったので市街地価格指数を用いて数年前の譲渡所得について嘆願書を提出したところ、認められたって話を聞いたことがあります。後出しじゃんけんは何でもやってみるものだ、とそのとき思いましたね。

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