6月23日、国税庁は国外転出時課税制度のFAQを改訂しています。令和5年度税制改正により、国外転出時課税の適用において納税猶予を受ける場合、株券不発行会社の非上場株式を担保にする際の手続が簡略化されたことに伴いFAQが更新されています。
そもそもの制度の問題点として。
国外転出時に1億円以上の有価証券を所有する場合、有価証券の譲渡があったものみなされて譲渡所得が課税されるところ、国外転出時までに納税管理人の届出をして担保提供をすれば、約5年間、納税猶予が受けられる、というのが国外転出時課税です。
ここで、自社株を担保提供しようとする場合、株券そのものの担保提供が必要となり、株券不発行会社の場合は、定款を変更して株券発行会社になったうえで株券を発行する手続をとる必要があり、スタートアップ企業の海外進出促進の障害となっていたことから経産省が見直しを求めていたというわけです。
今般の改正により、株券不発行会社に係る非上場株式を担保とする場合の手続が簡素化されています。
改正後は、質権の設定がされていない等一定の要件を満たす株券不発行会社に係る非上場株式を担保として提供できることとなります。
いずれにせよ、国外転出する前に納税管理人の届出をしておく必要がありますし、確定申告期限までに担保提供or対象資産の明細書等を添付して株券不発行会社に係る非上場株式を担保とする手続を完了させておく必要があります。
準確定申告の場合は、相続開始後4か月以内です。
スケジュール管理が必須であることは変わりありません。
担保提供に関しては事業承継税制のようになりますね。
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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
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嵐山町固定資産評価審査委員会 委員
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