東京地裁 塗装作業員の報酬を給与として仕入税額控除を認めず

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T&Amaster №874 2021.03.15

事の発端がよくあるケースの最たるものですね。原告が各従業員に対して健康保険、厚生年金に加入して保険料を徴収しようとしたところ従業員2名から給与が減るのは困るので外注として扱って欲しいと申し出があり、給与ではなく報酬として支払い、消費税の仕入税額控除を適用していたと。この仕入税額控除が否認されたという事件。

まぁ現実的に今まで給与だったものを他の条件を変えずに報酬としたところで実質は給与なので。

給与か報酬かの判断基準としては昭和56年最高裁判決がリーディングケースとして有名です。

昭和56年最高裁判決以降、「従属性」と「非独立性」が判断基準とされていたわけですが、本件においては消費税法基本通達1-1-1も判断基準に加えていることに注目ですね。

従属性…「使用者の指揮命令に服して」「時間的、空間的な拘束を受けて」働く労務提供の態様

非独立性…「自己の危険と計算によって行う」のではない報酬受給の態様

最近の裁判例では非独立性をより重視する傾向あり(東京地裁平成24年9月21日判決、東京地裁平成25年4月26日判決)

コロナ禍にあり、テレワークが増加してくると雇用形態や勤務形態が多様化し、本件のような給与か報酬か判断がわかれる争いが今後増えてくる可能性があるので税理士としては関与先に突如として外注費が発生した場合は注意しないとですね。

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