相続人が準確定申告書を提出した後に相続放棄した場合の取扱い

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T&Amaster №775 2019.02.18

所得税・消費税の審理事案例

相続人が準確定申告書を提出した後に相続放棄した場合の取扱い

  • 平成28年4月28日 被相続人死亡
  • 平成28年8月26日 相続人が準確定申告書提出
  • 平成28年9月1日 家庭裁判所が相続人の相続放棄の申述を受理

相続を放棄した者は相続開始時に遡及して相続人でなかったものとみなされるため、準確定申告書の提出義務者である相続人も該当しなくなる。

よって、本件準確定申告書は無効な申告書となるため、準確定申告書にかかる無効確認決議を行う。

また、準確定申告書に基づく納税は不要。

民法上の相続人が不存在の場合の準確定申告の手続
民法上の相続人が不存在の場合の準確定申告の手続|国税庁

この点については、相続財産法人は、国税通則法第5条第1項《相続による国税の納付義務の承継》の規定に基づき納税義務を承継することとされていますから、所得税法第125条の規定を類推解釈して相続財産法人に対して適用することが合理的であると考えられます。
 次に問題となるのが、相続財産法人に同条の規定が適用された場合の申告期限がいつになるのかという点です。
 相続財産法人は、相続の開始があった時に成立することから、同条に規定する「相続のあったことを知った日」は、相続財産法人が成立した日と考えることもできますが、相続財産法人が確定申告書の提出等を行うためには管理人が選定されなければ不可能です。
 したがって、相続財産法人が準確定申告書を提出する場合の申告期限は、管理人が確定した日(裁判所から管理人に通知された日)の翌日から4か月を経過した日の前日とすることが相当です。

相続財産法人の準確定申告の申告期限は管理人が確定した日から4か月。

 

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@smoritoshi

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