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預貯金は可分債権だが…


T&Amaster №644 2016.5.16より

税理士のための相続税法講座 第15回 相続財産と債務(3)-相続財産 弁護士 間瀬まゆ子先生

残高証明と取引経過について。

通帳を管理してない相続人から「こんなに少ないのはおかしい。誰かが引き出したはずだ」ということで過去の取引履歴を見てみようという話になる。

共同相続人の一人は、他の共同相続人全員の同意がなくても預金口座の取引経過の開示をもとめることができる(最判平成21年1月22日)

これは広く知られているところではありますが。次。

預金契約解除後の相続人に対して銀行は取引経過開示義務を負わない(東京高判平成23年8月3日)

つまり、相続開始前に口座が解約されており、相続開始時点で存在していなかった場合、取引経過の開示に応じてもらえない可能性がある、と。

なるほど。

また、あまり古い取引経過開示は断られることもありうるということで、例示として10年以上ということですが、税理士として10年以上前のものを確認するということはあまりなさそうです。せいぜい贈与税の除斥期間の6年くらいかと思いますが、争族の場合はそうもいっていられないのでどうしましょう。弁護士マターのためそこまで考えたことはありませんが。


遺産分割における取扱いについて。

一般的に、可分債権は、遺産分割協議とは関係なく、相続開始と同時に各相続人に法定相続分に応じて当然に分割され帰属することになります(最一小判昭和29年4月8日)

で、預金債権は可分債権ですから、遺産分割の対象外。

とはいえ、実務では、預貯金を含めて遺産分割協議に含めて遺産分割協議書を作成しますが。

ただし、争族の場合には別です。この場合、自分の法定相続分に相当する預貯金の払い戻しを金融機関に請求することができてしまうわけで。一方、トラブルを回避したい金融機関は払い出しに応じたくない。とはいえ、上記のとおり、法定相続分の請求権は法律上認められていることから、金融機関は払い出しをする必要がありますので、即払い出しということにはらないかもしれない。要交渉ということになる。

で、以前こんなエントリーをしましたが。

「預金は対象外」判例変更へ=遺産分割審判で大法廷回付-最高裁

預貯金は遺産分割の対象にならない、という上述してきた話がひっくり返る可能性が大ということです。

 

メモとして、郵便局の定額郵便貯金について。

郵政民営化の施行日(平成19年10月1日)より前に預け入れたものについては、満期まで分割払い戻しができない。

そうだったのですか。勉強になります。


貸金庫について

賃貸借契約としての法的性質。

相続人が賃借人としての地位を承継することになる。

貸金庫の開扉をする場合、金融機関は相続人全員の印鑑証明と開扉の立ち会いを求めるのが一般的。

これ、相続税申告において貸金庫がある場合、私はほぼ立ち会います。当然税理士は貸金庫の部屋の中までは入れないのですが、貸金庫のパターンによっては相続開始時のそのままの状況をこの目で確認したいですからね。それとやはり好奇心で現場を見たいというのもあります。


現金について

預金債権以上に可分性が高いように思えるが、現金については、判例は当然に分割されることはない、と判断しています(最二小判平成4年4月10日)

現金は不動産と同じ「物」という理解。

現金は遺産分割の対象として、遺産分割協議に含めないとダメ。

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi


コメント

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