加算税見直し 書面添付の意見聴取に伴う修正申告はなおも加算税なし

週刊税務通信 平成28年4月25日 №3406より

調査の事前通知がされてから更正予知前までに行った修正申告に過少申告加算税は課されていなかったものについて、改正後は、事前通知後であれば更正予知前の修正申告でも過少申告加算税の対象となります。これはご案内済。平成29年1月1日以後の申告期限分から適用。

源泉所得税の不納付加算税は対象外。

  改正前 改正後
過少申告加算税 0% 5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は10%)
無申告加算税 5% 10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は15%)

書面添付制度での意見聴取のみに基づき修正申告した場合、これは更正予知には当たらず、過少申告加算税は課されない。

この意味においても書面添付が求められますね。

 

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例 適用前譲渡と適用後譲渡が合計1億円超の場合は適用なし

週刊税務通信 平成28年4月25日 №3406より

空き家の譲渡特例については、「譲渡対価1億円以下」が要件ですが、これについて、分割譲渡した価額がそれぞれ1億円以下であっても合計で判定。

当然ですけどね。

さらに譲渡には低額譲渡や贈与も含めて判定と。

  • 適用前譲渡…相続の時から対象譲渡をした日の属する年の12月31日までの間に行う譲渡
  • 適用後譲渡…対象譲渡をした日の属する年の翌年1月1日から、その対象譲渡をした日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に行う対象譲渡資産一体家屋等の譲渡

適用前譲渡と適用後譲渡の合計額が1億円超の場合は適用対象外

まぁ、そもそもこの空き家の譲渡特例の使い勝手はどうなんだ、って思ってますけども。

税理士界 第1339号 会員の声 相続税の税務調査の現状と考察

四国会 井手浩一先生による寄稿ですが。

相続開始日の残高証明書だけにとらわれて、相続開始前7年間の被相続人金融資産及び家族名義の金融資産の把握を怠れば、専門家としての注意義務を果たしたことにはならないであろう。

いまだに残高証明書だけで預貯金の確認を完了させてしまう税理士が多数派なのも問題なんですけれど。あくまで参考にしかなりませんからね残高証明書は。きちんと通帳を追わないと。

また、将来的税務相談の範疇に属するが、資産家のタイプに応じて、扶養義務者間における通常必要な贈与、教育資金限定の一括贈与、住宅取得等資金贈与、贈与税の配偶者間における特例等を個々のケースに応じてアドバイスしておかないと、税理士法2条1項3号の税務相談に応じたとはいえないことになる。

どこまでやる必要があるのか、契約書等で明確にしておく必要があるのはもちろんわかってはいるのですが、相続税対策として依頼を受けた場合はともかく、贈与税の申告について委嘱契約書等までの作成はなかなかしていないのが現状ではないでしょうか。

自民税調会長「所得税を大改正」 17年度税制改正へ意欲

自民税調会長「所得税を大改正」 17年度税制改正へ意欲

 宮沢氏は「1994年度に(改正)してから、20年ぶりの改正だ。その間、社会が変化している」と指摘し、専業主婦世帯を優遇する配偶者控除などを念頭に見直しの検討を示唆した。

平成29年度税制改正の本丸は中小企業税制かと思ったのですが。資本金1億円で区切るのか、とか、留保金課税とか、そのあたり。

さらに所得税法改正ですか。ダブルコンボありがとうございます。これで消費税率10%が実施されたらどうなってしまうのでしょう。民は生かさず殺さずってところでしょうか。

マイナンバー漏洩 第一号案件は「鳥貴族」

「鳥貴族」従業員約400人分のマイナンバー、車上荒らしで盗難被害

3月21日未明、フランチャイズ会社の担当者が、従業員およそ400人分の扶養控除申請書を入れた段ボールを車の助手席に置いたまま、およそ10分間、その場を離れたところ、車上荒らしに遭い、段ボールを持ち去られたという。
盗まれた書類には、従業員の氏名、住所などのほか、マイナンバーも記されていた。

誰が一番最初にババを引くかってレースだったのですが。

第一号案件ですけれど、これは終わりではなく、始まりにすぎません。

税理士業務は100件やって一人前

税理士業務は100件を申告してようやく一人前というポリシーがあります。

例えば。

法人税の申告100件であれば10件/年であれば10年かかりますし、20件/年であれば5年で一人前。

所得税の申告

譲渡所得の申告

相続税の申告

贈与税の申告

遺言書の作成

株価評価

相続税対策

事業承継

等々

100件こなしてようやくプロと名乗れる。個人的にそれくらいは税理士業務に対しての矜持があります。

税理士に仕事を依頼する場合は、相続税の申告は何件の経験がありますか?等々質問してみるのもひとつの目安になると思います。

何せ経験がものをいう資格です。試験に受かっただけでは仕事が何一つできないのが税理士。そこは試験に受かったら即仕事ができる弁護士や司法書士とは違うところです。経験がないと何もわからない。とにかく件数にあたっている税理士は強いです。その意味で、顧問先数が多い事務所はやはりノウハウが違います。

国税庁の経験者採用 「試験勉強は全くしませんでした」

先輩職員からのメッセージ(試験勉強等について)|国税庁概要・採用|国税庁

試験勉強は、全くしませんでした。人物重視の試験だと思いますので、今まで自分がやってきたこと、仕事の中で意識してきたことをどう活かせるかを考えて試験に臨めば大丈夫だと思います。
(平成28年4月採用・女性)
試験勉強は、試験前日に3時間参考書を読んだだけです。
前職の仕事内容に関わらず、興味とバイタリティがあればぜひチャレンジしてください。
(平成28年4月採用・女性)

等々、いかに試験勉強をしないでも合格できるか、を猛烈にアピール。とにかく人材を呼び込むことに躍起になっていますね。

何だかなぁという気がしないでもないですが。

先日の税務調査での調査官はまさしくこの社会人経験者採用での方でした。もうね、調査官は全員この社会人経験者枠にした方がいいくらいに会話ができる人で助かりました。世間知らずな役人タイプの調査官の場合、調査官、納税者、税理士の三方が疲弊しますので、調査官におかれましては一般的な社会人経験は必要だと思います。

ってことで、この惹句はどうかと思いますが、採用枠としては応援します。

許容できないふるさと納税“狂争曲”

納税通信 第3419号 より 一筆啓上 許容できないふるさと納税“狂争曲” 野口悠紀雄

野口大先生におかれましては、ふるさと納税が許せないそうで。

地方税は応益税としての原則があり、自治体が提供する公共サービスの対価として位置づけられている。居住している自治体に納税すべき税が他の地自体に移転すれば元の自治体は公共サービスを提供することが困難となる。結果、公共サービス削減もやむなし、と。

まぁ、そうなんでしょうけれど、せっかく受け身の公務員が積極的にサービスとして提供してくれているわけですから、そこは評価してあげたいとワタクシなんかは思うわけです。もちろん、そこにエネルギーを投下しない自治体からは税収が失われるわけですが。

ところで、最後にコメントされていらっしゃいますが、一時的には税収が増加しても、将来も続く保障はない。一時的な税収の増加を見込んで、新政策を導入したり、ハコモノを建設したりってのは確かに危ういと思います。これはやってしまいそうな自治体がこれから出てきそうな、嫌な予感が今からします。そうならないことを祈りますが、何せ公務員ですから…

比嘉酒造 「残波」課税、一部取り消し 退職慰労金は妥当 東京地裁

比嘉酒造:「残波」課税、一部取り消し 退職慰労金は妥当 東京地裁 – 毎日新聞

泡盛の「残波(ざんぱ)」で知られる沖縄県読谷村の酒造会社「比嘉酒造」が、国税当局の約1億8000万円の課税処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は22日、総額約19億円の役員報酬のうち、創業者に対する約6億7000万円の退職慰労金は妥当と認め、約5000万円分の課税を取り消す同社側一部勝訴の判決を言い渡した。
判決などによると、同社は2010年2月期までの4年間で、創業者と親族の役員4人に計12億円余の給与を支払い、創業者には退職慰労金約6億7000万円を支払った。沖縄国税事務所は九州・沖縄の同業他社約30社と比較し、総額約19億円のうち、約6億円分の経費算入は認められないとして追徴課税した。同社側はこれを不当として提訴していた。
 判決は、給与については30社の最高額よりも高いとして不当と認定。この分の課税は適法とした。

つまり、役員報酬部分の課税処分については妥当と判断したんですね。

役員報酬12億円とかありますと、かなりでかい数字に見えますけど、4年で役員4人ですから、年間でみれば1億円未満/人です。稼いでる会社では普通に見える金額ですが、沖縄だと異常値になってしまうのでしょうか。

 

SEKINEのメモリ(記憶)装置としてのデータログです。