上場株式等の配当所得等の住民税 所得税と異なる課税方式可能

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週刊税のしるべ 平成29年2月20日

(9)上場株式等に係る配当所得等について、市町村が納税義務者の意思等を勘案し、所得税と異なる課税方式により個人住民税を課することができることを明確化する。 

平成29年度税制改正大綱25ページより。

明確化ということですから以前より可能だったわけですか。全然気にしていませんでした。

上場株式等の配当所得の課税方式は「総合課税」「申告分離課税」「確定申告不要制度」を選択することが可能ですが。

地方税法第45条の3と同317条の3によれば「所得税の確定申告書を提出した場合、当該確定申告書が提出された日に住民税の申告書が提出されたものとみなす。ただし、同日前に当該申告書が提出された場合はこの限りでない」とされています。

つまり、所得税の確定申告書の提出前に住民税の申告書を市区町村に提出すれば住民税の申告書が優先されて所得税と住民税で異なる課税方式を選択することが可能となる、と。

知りませんでしたし、知ったからといって、全ての納税者について有利不利の判定ができるはずもないのですが。

異なる課税方式を選択した方が有利なるケースとして。

  • 所得税 総合課税
  • 住民税 確定申告不要制度

とするケースがあると。

課税所得金額900万円以下であれば、所得税は配当控除と源泉徴収税額が税額控除される「総合課税」選択。住民税は税率5%となる「確定申告不要制度」を選択(総合課税を選択すると住民税率10%で不利)

国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料も住民税の所得金額で決定されるので、これも勘案して有利不利の判定。

税理士が顧客の申告書を作成するときには、住民税を含めたところまで関与していくかを考えていく必要がありそうだ。

なんて結んでますけど、費用対効果に合わない気がします。顧客ならまだしも無料税務相談会とかで言われても絶対無理です。

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@smoritoshi

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