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会計税務委託料を必要経費と認めず

T&Amaster №635 2016.3.21より

審判所、家事関連費と判断も業務遂行上必要な部分を区分できず

不動産貸付業を営む請求人が、請求人の妻が代表取締役を務める会社に支払った「会計税務委託料」が不動産所得の計算上、必要経費に算入されるか否か。

で、審判所は、所得税法45条1項二号に規定する必要経費に算入されない所得税に関するものであり、家事関連費と認定したうえで、本件会計税務委託料は業務ごとの内訳がなく一括で定められているため、所得税法施行令96条1号後段の要件である「業務遂行上必要である部分を明らかに区分することができる」を満たしていないと指摘。

家事関連費は「業務遂行上必要である部分を明らかに区分することができる」のが要件です。

確定申告期は終わってしまいましたが、結構、適当に○○%は必要経費、としている案件が見受けられました。ダメです。ここ、私は厳しく見ています。

三井物産や三井商事が大赤字 チャイナショックで大手商社が暗転

三井物産や三井商事が大赤字 チャイナショックで大手商社が暗転 – ライブドアニュース

三井も三菱も財閥解体後の創業以来初の赤字決算ですか。住友も最終利益予測を2,300億円から1,000億円に引き下げと。記事にはないですが丸紅もなかなかに厳しい状況の模様。

 意気軒高なのが伊藤忠商事だ。最終利益は3300億円と最高益を更新する見込みで、資源投資から距離を置いた戦略が奏功した。岡藤正広社長は今年1月、今期の最終利益が総合商社大手で首位となった場合、全社員に臨時ボーナスを支払う方針を明らかにしており、社員への大盤振る舞いはほぼ確実だ。

これはうれしいでしょうね。牙城を崩したんですから。歴史的快挙かと。伊藤忠の経営陣は祝杯でしょう。

「預金は対象外」判例変更へ=遺産分割審判で大法廷回付-最高裁

「預金は対象外」判例変更へ=遺産分割審判で大法廷回付−最高裁

これは…

相続実務で大影響がありますよ。

未分割の場合、相続財産の中から納税資金を引き出せなくなるケースが出てくるということですから。

預金について、判例では、「相続開始と同時に相続分に応じて遺族のもの」、つまり、遺産分割の対象外だから各相続人は法定相続分に応じた払い戻しが可能ということになっていました。銀行にいけば、「妻である私に御行の夫名義の預金1億円のうち5,000万円を払い戻してちょうだい」、と言えたんです。

が、実際問題として、相続争い等に巻き込まれることを回避したい金融機関は遺産分割協議書等で取得者が確定していない場合は払い戻ししない実務をとってきました。合意が成立すれば遺産分割の対象ということで遺産分割協議書や各金融機関備え付けの用紙で相続人全員の実印と印鑑証明を提出させたりしていたわけです。

とはいえ、納税資金がない場合は相続人はそんなこと言っていられないので。判例を印籠代わりにされると金融機関も払い戻さざるをえなかったと。

これが、金融機関側の実務に寄り添う形に判断を変更することになったんですね。

遺産分割がまとまるなら問題はないんです。今まで通りですから。もめていたりして未分割の場合で相続人側で納税資金がない場合が大変です。未分割ですからね。小規模宅地の特例や、配偶者の税額軽減の適用はできない可能性があります。納税額が一時的にせよ高額になりますから…

『贈与税の配偶者控除を検証する』 税務研究会 笹岡先生 その1

[相続税増税時代への対応](今、少しずつトレンドになってきている)『贈与税の配偶者控除を検証する』 税務研究会 

笹岡先生を受講してきました。笹岡先生の研修は内容にかかわらず参加できるものは全て出席する方針ですが、ここ最近は内容を一回りしてしまったようで、なかなかタイミングがあわずに機会を逸していました。

今回、新商品が入荷されたようで。笹岡先生の研修はテキストの内容解説もさることながら、口頭でのオフレコ話を聴きたくて受講しています。テキストはそのメモだらけになります。これが実務で重要なんですよね。テキストだけでは伝わらないニュアンスもありますし。これ大事。

贈与税の配偶者控除。よくご相談を受ける特例ではありますが、実は、贈与税は減額されても、登録免許税、不動産取得税、司法書士報酬、税理士報酬を加味すると、結局持ち出しの方が多くなるケースも多々あり、事前のシミュレーションが欠かせない制度です。特に不動産取得税は半年後とかに通知が来ますから、「先生は税金かからないって言ったじゃない!」とか後々問題になったケースがあるやに聞いております。税理士は贈与税はかからない、のつもりで言ったとしても納税者にとっては税金は税金で変わりはないんですね。このあたりしっかり説明しておかないと責任は税理士側に振られかねませんので注意が必要です。

司法書士や弁護士、不動産業者から回ってくる贈与税の配偶者控除なんかも注意が必要です。税理士主導でない場合、事実認定を疎かにして申告作業に取り掛かりがちです。特に確定申告の最盛期に突如持ち込まれたりすると危ない。要件を満たしてないケースがあったりして。

 

で、以下メモ。

婚姻期間の判定について

婚姻の届出があった日から起算。以前、届出日が納税者の認識と異なることもあるので注意。戸籍で要確認。当たり前のことですが。結婚式は上げたものの、奥様が婚姻届を半年提出しなかった事例あり。20年の判定に影響。

居住用不動産について

~その後引き続き居住の用に供する見込みであること

「見込み」は居住供用日で判定。居住後その年中に人事異動で飛ばされた場合は適用OK。人事異動辞令等を添付を検討。

居住用不動産を取得するための金銭について

オススメしない。現金は時価換算がそのまま現金の価値。夫名義で全て購入しておき、後日、固定資産税評価額、路線価等で贈与した方が有利。なるほど。

申告手続きについて

当初申告要件が廃止されたので、更正の請求でも適用可能。

添付書類について

居住用不動産の登記事項証明書は添付不要に。平成28年1月以降贈与分から。改正事項。登記したくない人が一定数存在するため実情に合わせた。つまり、登記費用をケチってるわけだが、これは数年後相続があったときに贈与契約書を紛失等していたりして贈与の事実が確認できなかったりするともめるパターン。ここはケチらないで登記必須。住民票も家族全員記載のもので。嫌がる場合は怪しいので注意。

贈与税の配偶者控除の適用で添付書類を見直し

(続く)

『信託の利用と課税関係』 東京税理士協同組合 日税グループ

もう何回目でしょうかね。関根稔先生による信託の研修でした。内容の再確認もさることながら、いつもの稔節を税理士としての自戒という意味で聴講する意義があります。

結局は多様なツールを使いこなすのがアドバイザーです。知っていることが必要ではあるものの、知っていてあえて利用しないという判断を下せるかどうか。

  • 株式会社
  • 自己株式
  • 人的種類株式
  • 一般社団法人
  • 取引相場のない株式
  • 信託
  • 更正の請求
  • 組織再編税制
  • 一般財団法人
  • 小規模宅地等
  • 相続時精算課税
  • 名義預金・名義株式
  • 公正証書遺言
  • 贈与・教育資金信託
  • 資産管理・事業承継
  • 相続・相続税対策

といった多くのポケットを持っているのがプロ。利用するかしないかは別として、知っていなければ始まらない。

関与先へのアドバイスと自分自身へのアドバイスが一致しているかどうか。自販機節税を自分で実行している税理士が人にもアドバイスできる。価値観の一致が必要。

信託の具体的な利用場面として。

  1. 保証金保全信託
  2. 財産保全信託
  3. 成年後見信託
  4. 放蕩息子信託
  5. 扶養手当信託
  6. 撤回不能信託
  7. 撤回不能信託(2)
  8. 現金贈与信託
  9. 株式贈与信託
  10. 持分贈与信託
  11. 議決権確保信託
  12. ずっとあんしん信託
  13. おくるしあわせ
  14. ボケても贈与できる暦年信託
  15. My贈与Best
  16. 想いの定期便
  17. 教育資金信託
  18. 教育資金信託(その2)
  19. 障害者贈与信託
  20. 愛犬信託
  21. 奨学金信託
  22. 受益権二分信託
  23. 家族信託
  24. 愛妻信託
  25. 後妻信託(対策1)
  26. 負担付遺贈(対策2)
  27. 債権確保信託

例えば。

3の成年後見信託について、対策としては4パターンが想定される。

  1. 遺言書の作成⇒後で変更可能
  2. 成年後見制度⇒処分権の剥奪、孫の入学金も払えなくなる
  3. 信託⇒制度設計度は高いが受託者を探せるか
  4. 相続時精算課税⇒受贈者が以前死亡で相続税の二重課税

19の障害者贈与信託は実務ではたまに登場しますね。相続税法21条の4、特定障害者非課税信託申告書を提出することで6,000万円(or 3,000万円)まで贈与税が非課税となるアレです。以前、それまで関与されていた先生からいっしょに見てほしいと依頼を受けた相続対策で、これが設定されていなかった例がありました。6,000万円は大きいですからね。確実に手当しておきたい制度であります。

25の後妻信託(=受益者連続信託)について

委託者=夫

受託者=先妻の子

受益者=後妻 ⇒ 相続税
      ↓
      先妻の子 ⇒ 相続税(2割加算)

一般的に、後妻が作成する遺言書と異なり、後妻の相続人からの遺留分減殺請求を排除できるといわれているが、何せ実例がない。極端な実務ではどうなるか…

しかも相続税が2回課税されるうえに、2度目は2割加算となる。税務上は不利益。これに代わる方法を立案するのがプロの仕事。

代替案として、26の負担付遺贈です。例えば、所有するアパートを先妻の子に遺贈、先妻の子は代償金として後妻に毎月○○万円を支払う、といったケース。

ということで、実務は全てタックス・ドリブン(税法主導)である、という稔節で今回も締めです。勉強になります。

税務申告書の印刷屋では早晩行き詰りますし、何せつまらない。

中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業費補助金 公募開始

タイトルのとおり、補助金が昨日3月22日から公募開始しています。

<1次公募>
平成28年3月22日(火)~平成28年4月22日(金)※17:00必着

決定交付は6月上旬。

補助対象設備

補助対象となる設備区分は、以下の区分とする。
・高効率照明
・高効率空調
・産業ヒートポンプ
・業務用給湯器
・高性能ボイラ
・低炭素工業炉
・変圧器
・冷凍冷蔵庫
・FEMS
なお、FEMSを除く、全ての補助対象設備は、本事業において定める公募要領(設備導入補助)の「別表1 補助対象設備区分と設備区分毎に定める基準エネルギー消費効率一覧表」 (以下、「別表1」という。)に該当する設備であること。
各補助対象設備の補助対象範囲も「別表1」に記載のある範囲とする。
FEMSについては、公募要領(FEMS導入補助)の「FEMS機能要件表」に該当する設備であることとする。

補助率

補助対象経費の3分の1以内
※補助対象経費は購入する補助対象設備の設備費用のみとなります。

補助金限度額

上限:1事業者あたりの補助金 1億円
下限:1事業所あたりの補助金 50万円(中小企業者及び個人事業主の場合は30万円)(いずれの場合も補助金下限額未満は対象外)

補助率1/3っていうのはなかなかにシブいなぁとは思いますが、設備投資額がそれなりになればありがたい話でしょうし、高効率照明はLED照明が該当するわけですから、これは該当する事業者さんは結構いらっしゃるのではないでしょうか。

設備投資を検討されている方は是非ご参考までに。

未分割の相続財産の課税価格の計算は穴埋方式によるのが相当

日替り税ニュース

 未分割の遺産に係る相続税の課税価格をいわゆる穴埋方式、積上方式のいずれで計算すべきかの判断が争われた事件で国税不服審判所は、原処分庁の主張どおり、穴埋方式によって計算するのが相当であると判断、審査請求を棄却した。

既に先例(最高裁平成 5 年 5 月 28 日判決、東京地裁昭和 62 年 10 月 26 日判決)があり、これを踏襲した形ですね。

一部未分割財産がある場合の相続税法 55 条の計算方法

遺産が全部未分割ではなく、一部未分割の場合の課税価格の計算方法は2つありまして、それが上記の穴埋方式と積上方式です。

積上方式は、既に分割されたものは除き、未分割部分だけを民法に規定する相続分で分けるやり方。

穴埋方式は、分割済と未分割を合わせて民法に規定する相続分で分けるやり方。

ふーむ…

使途不明金と使途秘匿金の課税について ~使途の説明ができない支出はどうなるのか~

納税通信 第3413号 より 税務・会計の集中ゼミナール 天野俊裕先生

使途不明金

領収書等はあるけれど、支出の目的、効用、用途が確認できない支出のこと。ただし書きがない領収書、領収書がもらえないリベートや謝礼がこれに該当。

会社としては秘密にしたいわけではないというのがポイント。

支出の事実はわかっているために帳簿、決算書には交際費や寄付金といった科目に紛れ込ませて処理されることが一般的。当然、税法上は損金不算入。

使途秘匿金

ポイントは会社として秘密にしたい支出ということ。

帳簿書類(総勘定元帳等の会計帳簿に限らず、領収書や請求書等含む)に相手方の氏名や目的の記載がない、つまり、支出に関する内容を全て隠す支出。例えば、裏リベート、総会屋対策費、談合費用、政治家への闇献金、地元対策費用、賄賂が該当。当然に税法上も損金不算入。

使途不明金と使途秘匿金の違いは、「秘匿の意思(≒帳簿書類への未記載)」があるかないか。

法人税率30%、所得税率を45%、500を使途不明金or使途秘匿金とされた場合で試算すると。

使途不明金

  • 法人税(追加) 500×30%=150
  • 法人税(制裁) 0
  • 重加算税 150×35%=52
  • 源泉所得税(認定賞与) 500×45%=225
  • 合計 427

使途秘匿金

  • 法人税(追加) 500×30%=150
  • 法人税(制裁) 500×40%=200
  • 重加算税 (150+200)×35%=122
  • 源泉所得税(認定賞与) 500×45%=225
  • 合計697

不明金であっても秘匿金であっても、税務調査では当然重加算税で追徴してくるはずです。私が調査官ならそうしますしね。

留意点として2つ。

ひとつは、使途秘匿金を「貸付金」「仮払金」として処理した場合。帳簿に相手先名等を記載しておけば使途秘匿金を回避できるかといえばもちろんそんなことはない。単なる名義人であれば使途秘匿金だし、仮装隠蔽で重加算税に。

もうひとつは、これは気付きませんでしたが言われてみればそうですよね。使途秘匿金として40%課税されれば、支出の相手について秘匿する権利があるかといえばもちろんない。制裁課税を受けたからといって、課税庁による質問検査権がなくなるわけではない。むしろ出口側においても課税されていない可能性が高いわけですから、そっちからも取りたいですよね。さらに隠ぺいで重加うてるし。

上記の認定賞与についてはケースバイケースでしょうが、課税庁としては当然支出の相手側を詳らかにできないようであれば賞与認定してきますよね。役員賞与で源泉所得税、不納付加算税ですか。

 

当然、これまで私の顧問先において使途秘匿金で課税を受けたことはないですし、これからも出てくることはないと思いますが。そのようなクライアントは顧問契約解除しますしね。そもそも顧問しないです。

「番号制度に係る税務署への申請書等の提出に当たってのお願い」 国税庁HPに掲載

番号制度に係る税務署への申請書等の提出に当たってのお願い

再確認の意味で。

社会保障・番号制度(マイナンバー制度)の導入に伴い、平成28年1月からは、
1 申告書や一部の申請書等に個人番号又は法人番号の記載
2 個人番号を記載した申告書や一部の申請書等を提出する際の本人確認
が必要となりました。

番号の記載について、本人控えにはマイナンバーを記載してはいけない。税務官庁に提出するものにだけマイナンバーを記載。

本人確認について、「番号確認」と「身元確認」が必要。「本人確認書類(写)添付台紙」に添付して提出。個人番号カードを取得していれば表裏の両面をコピーして添付でOK。通知カードしかない場合は通知カード(orマイナンバー記載の住民票)&運転免許証等のコピーでOK。

ということなのですが、既に終了した確定申告時に、併せて消費税の届出書やら青色の申請書やら提出しています。平成28年1月1日以降提出分の届出書等については、マイナンバー要記載です。ただ、現状、未記載でも連絡はありません。毎年3月後半から4月中旬にかけて確定申告における調査に至るまでもない軽微なミス等については修正等の指導の連絡があるわけですが、このときに一斉にマイナンバーの未提出についても連絡があるのかなぁと個人的には考えています。さてどうなるか。

事前照会に対する文書回答事例より 相続人以外の者が包括遺贈により財産を取得した場合における相次相続控除の適用の可否について

相続人以外の者が包括遺贈により財産を取得した場合における相次相続控除の適用の可否について

平成28年3月3日回答 

民法990条においては「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。」と規定されているところではありますが、相続税法20条≪掃除相続控除≫における「相続人」はあくまで「相続人」であって「包括受遺者」と切り分けて考えられている。

したがって、相続人ではない者で包括受遺者となる者が遺贈により財産を取得する場合は相次相続控除の適用はなし。

当然適用ないですよね。気にもしていませんでしたが、言われてみるとなるほどそういう考えもあるのかという。