税理士職業賠償責任保険の事故例


税理士界 第1377号 2019年6月15日

減価償却の計算において耐用年数の適用誤りにより過大納付となった事案

鉄骨造(耐用年数34年)のところ鉄筋造(耐用年数47年)と誤認したまま減価償却費を算出していたところ、税理士チェンジ後に更正の請求期限を徒過した5年分につき損害賠償請求。

鉄筋と鉄骨には注意。

特定期間の課税売上高が1000万円を超えたことに気付かず、簡易課税制度選択届出書を期限までに提出できなかったことにより過大納付となった事例

特定期間の課税売上高による納税義務の判定を失念したこと、それに連動して簡易課税制度選択届出書の提出漏れ。

特定期間の判定にもそろそろ慣れていかないと。開業2期は納税義務なしっていう認識はもう改めて。

所得拡大税制の税額控除の適用失念により過大納付となった事例

平成27年9月期から平成29年9月期までの3期分について所得拡大税制の適用を失念。

これは所得拡大税制が続く限りは事故であり続けるでしょうね。

事前確定届出給与に関する届出書提出失念により過大納付となった事例

平成22年3月期から平成28年3月期までの法人税につき、役員賞与を支給し別表四で加算しているにもかかわらず、事前確定届出給与について税理士が説明していなかった。

これはひどい。事前確定届出給与を知らなかったのか。申告書を見ていなかったのか。1期はともかく7期は救いようもなく。

合併に際して誤ったアドバイスをしたため過大納付となった事例

A社には繰越欠損金あり、今後も利益が発生する見込みなし。B社には繰越欠損金なく、合併直前に多額の利益が発生する見込みあり。税理士はA社を存続会社とした方が登記費用の面で有利と助言してA社を存続会社とした。適格合併を行った場合、要件次第で被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことができる。被合併法人の事業から生じる所得については、合併後は合併法人の繰越欠損金を利用することができる。本件は被合併法人の最後事業年度に生じた所得については合併前のものであることから、合併法人の繰越欠損金を利用することはできない。つまり、税理士が合併に際し、どちらを存続会社にするのか誤った指導助言をしたことで損害賠償請求。

納税猶予の特例申告において担保提供書の提出を失念し過大納付となった事例

農地の納税猶予で、担保提供に関する書類の提出は相続登記後で良いと誤認した税理士が申告期限までに提出しなかったことで過大納付に。なお、本損害は納税猶予額であることから、納税猶予の取消事由が生じた場合には保険金を返還する旨の条件付きで保険金の支払いがあり。

事業承継税制でも注意したいところ。取消事由が生じた場合には返還しないといけないのですね。

相続時精算課税選択届出書提出失念により過大納付となった事例

相続時精算課税選択届出書提出失念もさることながら、さらに税理士はいったん贈与の取消を行い、翌年に再度贈与して贈与税の申告書と選択届出書の提出を行った、っていうリカバリーにもならない対応にも驚きです。不動産の贈与で登記されていたらどうしたのだろうか。で、結果的に、1年遅れて贈与した結果、株価が上昇して納税額が増加したのでその分を損害賠償請求。

青色申告承認申請書提出失念により過大納付となった事例

不動産所得の申告を以前から行っている依頼者から、コンビニ開業の相談。事業開始後2か月以内に青色申告承認申請書を提出。間違い。既に不動産所得があるのでコンビニ開業の年の3月15日までに提出する必要があった。で、青色申告承認申請書の提出失念により、中小企業投資促進税制、所得拡大税制、青色申告特別控除の適用が不可となり、所得税住民税合わせて600万円の過大納付。

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嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

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