新型コロナの影響による資金繰り 繰戻し還付も検討が必要


通常であれば、赤字があった場合、繰越欠損金として翌年以降に繰り越して、翌年以降の利益と相殺します。現行税制ではマックス10年の繰越が可能。

今年の赤字を来年以降の黒字と相殺するわけですが。

別の選択肢として、繰戻し還付。

今年の赤字を去年の黒字と相殺する方法。

資本金1億円以下の法人であれば青色申告を要件に繰戻し還付可能。新コロナ対策で資本金1億円以下のところ10億円以下に拡大。大企業の子会社等は除きますが。

6月が決算の法人の場合。

令和元年6月期の利益1,000万円、法人税260万円納税。

令和2年6月期は新型コロナの影響により△1,500万円の赤字。

△1,500万円を去年の黒字1,000万円と相殺して、法人税の繰戻し還付です。

ただし、法人税260万円のうち、繰戻し還付の対象となるのは国税部分200万円のみ。地方税60万円は対象外。

△1,500万円のうち1,000万円を相殺して、それ以外の△500万円は通常どおりの繰越損失として翌年以降に繰越。

繰越控除では現金が戻ってきませんが、繰戻し還付であれば、現金200万円が戻ってきて資金繰りに使えます。

手元資金が枯渇して融資や持続化給付金等で対応が厳しい場合は繰戻し還付も検討です。

一点、注意が必要なのは、繰戻し還付は税務調査があることです。

法法⑦ 税務署長は、前項の還付請求書の提出があつた場合には、その請求の基礎となつた欠損金額その他必要な事項について調査し、その調査したところにより、その請求をした内国法人に対し、その請求に係る金額を限度として法人税を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する。

ここでいう調査とは、調査官が臨場して質問検査等を行う実地調査が通常ですが、必ずしも実地調査に限定されるわけではありません。机上調査や準備調査なども含まれることになっています。

新型コロナの影響を考えると、実地調査に移行するケースは当然あると思いますが、ある程度は机上調査等で終了することも想定されます。

繰戻し還付、即実地調査と考えるのではなく、資金繰りも考慮して税務調査を恐れず会社存続のためには選択肢の一つとして検討してもらいたいと思います。

6月決算ということは、8月申告となりますから、繰戻し還付の結果、おそらく9月か10月の還付となります。

還付請求から3ヶ月経過すると還付加算金という利息が付いてしまうことから、それまでには還付が実行されるはずです。

ここで、例えば12月決算の法人の場合、繰戻し還付を実行しても2月申告となり還付が3月4月あたりになり資金繰りが厳しい。

この場合は、決算期の変更です。

決算期の変更する場合の手続きは、定款の変更(株主総会議事録の作成)、税務上の届出書の作成です。登記は不要です。

以上、法人の手続きですが、個人の場合も繰戻し還付は可能です。

ただし、個人は年明け3月の確定申告での繰戻し還付となります。決算期はなく暦年課税なので、還付時期を変更することはできません。

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi


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