『これ一冊で十分!ドクターが知っておくべき税金の知識』


『これ一冊で十分!ドクターが知っておくべき税金の知識』税理士・公認会計士 永井圭介先生

ざっと読んだけれどいくつかメモ。

小規模企業共済
  • 医療法人の役員は小規模企業共済の加入不可
  • 法人成りする場合は任意解約する必要あり
  • MS法人の役員として加入を続けることは可能
MS法人
  • クリニックからMS法人への適切な所得移転が必須
  • クリニックからMS法人へのレセプト業務などの事務委託
  • クリニックからMS法人への清掃業務委託
  • クリニックからMS法人へのコンサルタント業務委託
  • MS法人からクリニックへの不動産賃貸
  • MS法人からクリニックへの労働者派遣
  • 医薬品、医療消耗品をMS法人が購入し、クリニックへ販売するフローへの変更
  • MS法人で受付事務職員を雇用することで看護師との給与体系、就業規則の切り分け可能
  • 医療法人とMS法人の役員の兼任は原則不可(実務上理事長の家族が医療法人の社員とMS法人の役員を兼任)
  • 医療法人とMS法人の取引が一定額以上(1,000万円以上かつ事業収益の10%以上等)の場合は1年に1回報告義務
医療法人化が失敗するケース
  • 設立運営コストが節税効果を上回る場合 専門家報酬(事業報告書、決算の登記、役員登記等に付随するもの等)
  • 個人の借入が法人に引き継げなかった場合 医療法人化のとき引き継げるのは設備資金だけ(運転資金は不可)
税務調査のチェック項目
  • 窓口収入の計上漏れ
  • 期ズレ(保険診療報酬の未入金分、健康診断、予防接種、自由診療収入の未回収分)
  • 医療品在庫の未計上
  • 交際費、会議費、福利厚生費、旅費交通費等にプライベートな支出がないか
  • 青色事業専従者給与が高額でないか

 

個人クリニックの場合、税務調査は上記5点しか見られないといっても過言ではないと思います。

特に交際費は内容までしっかりと確認されます。誰といったのか氏名や関係性まで細かく調べられます。当然家族といった食事なんかはハネられます。お医者さん同士の同業者の単なる飲み会であっても最初は否認してきますから、話した内容等含めて詳細に説明できるようにしておくことが対策としては大事です。摘要欄に入力すべきで調査時になってから確認するようでは危ないですし、摘要欄に入力できないようなケースの場合はそもそも事業に関係ないと言わざるを得ません。

あとは専従者給与の否認もほぼありますね。奥様やお母様が看護師をしていた、ってのが個人クリニックの場合には結構あります。そのときに、他の看護師さんと比べて大幅に給与額が高額だったり、勤務形態に即した給与額になっていないと問題にされます。父親から引き継いだクリニックに父親が専従者として勤務しているものの、実態がほとんどないのにもかかわらず高額な給与をとっていたりするとまた問題となります。

ちょうど確定申告も終わりを迎える今、経理と税務の仕組みを改めて見直す良い機会かとは思います。

最後に、開業医は所得700万円を超えたら法人化を検討しましょう、とうたわれていますが、実際に法人成りするのはその倍くらい所得がないと検討の余地はないというのが実感です。個人的には3倍は欲しいところ。確かに税務ではメリットがあっても本書でも説明のあるように他の面で手間と費用がかかって面倒すぎるとは思います。事業承継まで考慮すると猶更ですし、さらにいえば、今後は一人医療法人の設立については懐疑的です。公器としての医療機関を目指さないのであれば身の丈にあったクリニックで地域に貢献していく方がいいのでは、と感じていますし、そのように慰留することも多いです。

もちろん法人化してくれた方が我々士業としてはお仕事が増えるものですからありがたい話なのですが。

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関東信越税理士会東松山支部 経理部長
関東信越税理士会埼玉県支部連合会 会員相談室相談員
嵐山町固定資産評価審査委員会 委員

@smoritoshi


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